PDCAサイクルの例|個人と会社の事例をわかりやすく解説

PDCAサイクル

PDCAサイクルについて例を示しながら正しい使い方を解説します。個人と会社の両方について使い方を説明していきます。PDCAとは、Plan、Do、Check、Actionの略語。「目標達成」のための手法として数十年間、世界の多くの人がお手本にしてきたのが今回取り上げるPDCAサイクルです。このブログをみているあなたは、既に何回も聴いてうんざりしているかもしれませんね。

でも、聴いたことがあるといっても、本当にその正しい使い方を知っているかは疑問です。というのも、この「PDCAサイクル」は目標達成のためのツールとしては有名ですが、このツールを使って実際に仕事で成果を出している方は少ないのではないかと思います。

それはなぜでしょうか? 答えは、殆どの人が、正しい「PDCAサイクル」の扱い方を正式に習っていないため、わからないのです。そのため誰もがツールの名前だけは知っていても、意図していた成果にはつながっていないのです。

逆に、うまくいっている方は、実に上手に利用しています。今回はどうしたら、正しく使えるようになるのかを解説します。早速はじめましょう。

PDCAサイクル(ピーディーシーエーサイクル)の意味、定義

第二次世界大戦後、アメリカの産業が工業製品の品質向上を目指し、様々な品質管理の手法を試行錯誤しながら構築していきました。その一つがエドワーズ・デミングらが考案したPDCAサイクルです。PDCAサイクルという名称は、サイクルを構成する次の4ステップの頭文字を取ったものです。

計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action) ⇒ PDCA

PDCAサイクルとは、品質向上という目標達成のために考案された管理手法の一つです。計画(plan)、実行(do)、評価(check)、改善(Action)というプロセスを順に実施します。最後のActionでは評価(check)の結果から、改善を検討し実施します。このサイクルを繰り返すことによって、目標達成のよりよいマネジメントを行います。

当初は、生産現場における品質向上のために開発されましたが、その汎用性が評価され、今は経営はもちろん日常生活も含めて、様々な目標達成の場面で使われるようになってきています

PDCAサイクルの各パートについて

PDCAサイクルは、目標達成のための枠組みです。最も有名な枠組みであることは間違いありませんが、やはり枠組みでしかありません。あなた自身が、このPDCAの説明を基に応用し、目標達成のためにやるべきことを整理して臨めばOKです。

(1)Plan(計画)
まずは優先的案テーマを選び、原因を確認した上で解決のための計画を作成します。

(2)Do(実行)
計画に沿って業務を行います。

(3)Check(評価)
作業が計画に添って進行しているかを確認します。

(4)Action(改善)
作業が計画と差が出た部分があった場合、理由を調べ、行動もしくは計画を改善します。アクションは、「実行」もしくは「計画」について行動を起こすという意味です。

PDCAサイクルで、失敗しないための設計・実施のチェックポイント

PDCAサイクルをうまく実行するためには、まずは失敗しないように「Plan(計画)」をしっかりと設計することです。ここで間違ったことを計画すれば、どんなによい行動をとっても意味がありません。また、「Do(実行)」以降の段階を実施するにあたり最低限守るべきことがあります。

計画の重要ポイントは以下の記事で掘り下げて説明してますのでぜひこちらもご覧ください。

PDCA “PLAN"の方法|鬼速/高速で回すための3ステップとは?

ここでは、失敗しないようそれらを45個リストアップしました。チェックポイントとしてご活用ください

ここでは、仕事などのプロジェクトを複数メンバーで取り組むことを想定して書いています。もしも日常生活で個人的にPDCAサイクルに取り組む場合は、不要だと思うポイントをはずしてご利用ください。

(1)Plan(計画)→35のチェックポイント

PDCAサイクルをうまく実行するために最も重要なのは、Plan(計画)の段階です。ここがきちんとできあがっていないと全てダメになります。ですので、このPlanの段階だけは、以下のとおり6つのステップに分けて検討したほうが賢明です。時系列でステップを並べています。それぞれのチェックポイントを確認するようにしましょう。

1 テーマ確認ステップ

  1. まず何について取り上げるのか、その内容や範囲は明確ですか?
  2. 本当に取り組む必要性はありますか?
  3. 本当に皆が求めているのでしょうか?
  4. 取組むうえでの制約条件はありますか(やること、期限、予算など)?

2 現状調査ステップ

  1. 現状を正確に把握しましたか。
  2. 関係各所の要望・意見・希望をリストアップしましたか? 関係者から後で文句を言われることはありませんか。

3 原因分析ステップ

  1. 原因を正確に特定しましょう。一つとは限りません。
  2. いくつかの原因と現状の結果が見えたら、その因果関係を明らかにしましょう。
  3. 原因と結果の関係は、ロジカルであなた以外にも納得できるものでしょうか。

4 解決案作成ステップ

  1. 解決策は2つ以上用意できますか。
  2. 解決策に、期限は明示されていますか?
  3. 解決策に、何を達成するかが明示されていますか?
  4. 解決策に、どのレベルのことを達成するか明示されていますか?
  5. 解決策ゴールは、無謀すぎませんか。
  6. 解決策のゴールは、簡単すぎませんか。
  7. 達成するために必要な段階(ステップ)は明確ですか?
  8. 達成するため各ステップで、やるべきことのリスト化はできていますか。漏れはありませんか?
  9. 関係各所の根回し、事前の確認はできていますか?
  10. 解決のために必要なリソース(金、人、モノ、情報、時間)は確保可能ですか?
  11. 解決策は2つ以上用意していますか? →必ず複数案を作りましょう。

5 選択肢検討と目標決定のステップ

  1. 選択肢を検討する上で優先順位(重要性と緊急性)はわかっていますか?
  2. 各解決案の論理性(納得できるか)は確認しましたか?
  3. 各解決案の有効性(成果に結びつくか)は確認しましたか?
  4. 各解決案の実行可能性は確認しましたか?
  5. 最終目標と中間目標などを数値化した指標(KPIといいます)を、必要なだけ設定してありますか?
  6. 状況変化への対処方法を予想できる範囲で想定してますか?
  7. 失敗したときの最悪のリスクを考えましたか?
  8. 失敗したときの撤退、打ち切りの条件を決めましたか?

    KPIについてはこちらの記事をご覧ください。
    KPI 例を通して意味と設定方法を学ぶ! KPI指標を80個リストアップ

6 合意形成とマインドセット構築のステップ

  1. 全員が参画して決めるように配慮しましたか?
  2. 全員で解決案をチェックしましたか?
  3. 目標、指標必要性を全員が理解できるようにしましたか?
  4. 全員が当事者意識を持てるようにしましたか? (上司の押し付けはダメ)
  5. 全員の合意はできなくとも、理解をしてもらう努力はしましたか?
  6. 全員の合意はできなくとも、前に進めていく決断はできますか? (全員の価値観一致は一般的に困難)
  7. シンボル・標語の製作、ポスターなど告知や盛り上げの工夫は検討しましたか?

(2)Do(実行)→ 3つのチェックポイント

計画することも重要ですが、実行することが最も大切です。アクションまで一巡したら、次は継続し習慣化することを目指しましょう!

  1. リーダー(責任者)自ら、常にメンバーと報連相を徹底するようにしていますか?
  2. メンバーが情報を共有できる体制ができていますか?
  3. メンバーが実行する事柄は、きちんと個々のメンバーごとにスケジューリングされていますか?

(3)Check(評価)→4つのチェックポイント

評価は、間違いなく情報を取得しメンバー全員で共有しましょう

  1. チェックの日程をあらかじめ適切なタイミングで設定していますか?
  2. 結果についての判断基準は、メンバー全員が理解できるようになっていますか?
  3. あらかじめ定めた指標と現実との差を全員で共有できていますか?
  4. 定期的に記録し保管するしくみは作ってありますか?

(4)Action(改善)→3つのチェックポイント

  1. やるべきことや指標が多い場合は、重要度・緊急度が高いものから手を付けるようにしましたか?
  2. 評価結果について、対策を検討すべき日を最初に決めておきましたか?
  3. 評価結果について、次のいずれかの判断を下しましたか?

順調な場合→計画はいじらずに、そのままDoを継続する。

順調ではない場合…

軽度の不調
 →「Plan」の「解決案作成ステップ」へ戻って再検討。

中程度の不調
 →「Plan」の「原因分析ステップまたは現状調査ステップ」へ戻って再検討。

重度の不調
 →撤退・中止の検討。

個々に書いたように、アクションからプランに戻ればよいのではありません。プランのどこの部分に戻るのかをハッキリさせて戻りましょう。また、進めるリスクが大きい時は、中止する勇気も持ってください。

PDCAサイクルの具体例

ここでは、PDCAサイクルの例を二つ紹介します。

個人の生活でのPDCAサイクルの具体例

個人の生活
チャレンジテーマ ダイエット
現状
  • 直近の1年間で10Kgも体重が増えた
  • 検診でメタボと判定される
制約条件 来年の検診までに正常値に戻すよう言われた

Plan(計画)
概要

  • 体重をリバウンドなく落としていく。
  • 健康面も向上させる。
Plan(計画)
数値目標
  • 体重を毎月1kg減量
  • 食事は毎食、茶碗一杯とする
  • 間食はやめる
  • 体脂肪率を30%から20%に落とす
  • 毎朝ジョギングを15分する
Do(実行)
  • 食事は量を厳守できた
  • 間食は週に1回は食べてしまう
  • ジョギングはしんどくて無理
Check(評価)

一か月後にCheckした結果

  • 体重は0.5kg減量→△
  • 食事のルール違反:量は3回、間食は4回→△
  • 体脂肪率27%→〇
  • 毎朝のジョギング:実施は3回のみ→✕
Action(改善)

翌月からのDOの改善

  • 食事は毎週1回は自由に食べてよいことにストレスをなくす
  • ジョギングは無理なので、毎日散歩を4km実施する
  • 評価はまた一か月後に行う

会社の仕事でのPDCAサイクルの具体例

会社の仕事
チャレンジテーマ 所属部署での営業成績アップ
現状 営業の部署は5名。目標未達成者が半数
制約条件
  • 半年以内の改善を上司から命令される
  • 研修予算は無し
Plan(計画)概要 半年後に全員が目標を達成できるようにする
Plan(計画)数値目標
  • 既存の客先訪問件数を20%アップ
  • 新規顧客開拓のために電話アポを月に4件とる。
  • 製品勉強会を講師を各員持ち回りで週一回実施
  • 提案資料は個人保管のものを共有化する(50種類)
Do(実行)
  • 毎日の実施結果を壁に張り出す
  • 各自が目標に向かって実施する
  • 勉強会の最後に近況を報告しあう
Check(評価)

一か月後にCheckした結果

  • 既存の客先訪問件数を20%アップは一人を除きクリア
  • 新規顧客開拓は全員がクリア
  • 勉強会は予定が合わず2回しかできず。
  • 資料の共有は10種のみ完了
  • 目標未達成者は3名いた
Action(改善)

翌月からのDOの改善

  • 既存の客先訪問は、確実な契約を取れるよう頻度を増やす。
  • 頻度は過去の成約率から個々が決めて課長に報告する。
  • 勉強会は、前月中に日にちを決めておく
  • 資料共有化は期限を決めて来月に終了させる。
  • 評価はまた一か月後に行う

 

PDCAサイクルを成功させるための心構え

PDCAサイクルを成功させるための心構え、マインドセットのポイントを述べておきます。

まずは実行してみる

綿密な計画を立てる(Plan)ことよりも、行動(Do)することの方が重要です。行動しなければ何も始まりません。とにかくPDCAサイクルに慣れればいいや、ぐらいで始めましょう。

決してあきらめない

無理をするとだめです。頑張らないことです。諦めなければいつか目標は達成できます。

最初の3週間が大切

21日間続いた行動は、習慣化される可能性が高いといわれています。PDCAサイクルの初期3週間は、このことを全員で意識し声を掛け合うとよいでしょう。

フィードバックを取り入れる

同じプロジェクトのメンバーとは互いに率直な意見交換を行いましょう

個人差に配慮する

万能な「PDCAサイクル」ですが、個々の性格や立場、状況によって、重点を置くべきポイントは変わります。計画は得意だが実行できない人、実行はするがCHECK(評価)ができない人など、いろいろいます。リーダーはこうしたことにも配慮してみてください。

KPIを利用したPDCAサイクルの実施方法

こちらではKPIを活用したPDCAサイクルの設計について述べます。
KPIについては、こちらをご覧ください。⇒ KPIを使う意味|”KPI”という中間目標こそ成功の決め手なのだ!

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  1. Plan(計画)
    計画時にKPIを設定しておきます。
  2. Do(実行)
    実行時にKPIを常に意識するようにします。

  3. Check(評価)
    KPIの確認をするタイミングをあらかじめ決めておきます。内容に応じて、毎日、毎週、毎月など。

  4. Action(改善)
    KPIと現状の差について、よい場合も悪い場合も原因を考えます。KSF(成功要因)についての誤解があれば、それをKPIに反映させます。
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PDCAサイクルを学ぶのにオススメの書籍

応用と展開

マネジメント、いわゆる管理とは、いわば目標達成の別名ともいえます。それゆえに、目標達成ツールであるPDCAサイクルは、あらゆる場面に応用が可能です。以下はその例です。

  • OHSAS 18001(労働安全衛生マネジメントシステム)
  • ISO 9001(品質マネジメントシステムなど)
  • ソフトウェア開発の手法(スパイラルモデル)

まとめ

今回は、ビジネス用語としてはわりと知られているPDCAサイクルについて説明しました。知っている人にとっては今更という感じだと思いますが、どこまで使いこなしているかということになると、意外にまだまだだったりします。

目標達成のスキルの有無は、そのまま仕事の成果に直結します。PDCAサイクルは、目標達成をやりやすくするための適切な道具だと思います。これを機会に目標達成の方法について真剣に学ばれてはいかがでしょうか。とても有益だと思います。

とはいえ、PDCAサイクルは、定義だけ知っていても使いこなすためのノウハウは膨大です。ここに掲げたのはほんの一部です。ぜひ書籍でも確認されることをお薦め致します!

お読みいただきありがとうございました。

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