マネジメントとは




今回は「マネジメント」について説明します。この「マネジメント」ほど使われる幅、そして深みがある言葉は他にないでしょう。ところで国内最大の航空会社はどこか知っていますか?

答えはJAL(日本航空)ではなく、ANA(全日空)です。長い間、日本一はJALでしたが、昨年に国内国際の旅客数もJALを抜き売上とともに間違いないナンバーワンを達成しました。

JALは政府出資により唯一の国際線定期輸送を始めた会社ですが、それに比べANAは2台のヘリコプターから始まった完全な民間会社でした。

JALよりもはるかに不利な条件だったのみもかかわらず、好調な経済圏であるアジア/オセアニア・北米を重視し、羽田を中心にここ数年間国際線の路線網を充実。二つのLCCを社内ベンチャーで立ち上げ(バニラエアとピーチ)、それも成功させました。スターアライアンスとの提携も功を奏し万年二位からの脱却を成功させたのです。

じつは私も最近知ったのですが、これって誰がみてもANAの経営方法が優れたいたってことの証明ですよね? 始まりは圧倒的にJALが有利だったわけですから。

この違いを産んだのが、今回取り上げる「マネジメント」なのです。それでは、このマネジメントという言葉についてさっそく説明を始めましょう。

マネジメントとは

奥深い言葉なのですが、一言でいうと「組織の目的を達成するための計画と活動」です。ここでいう組織は企業はもちろん、教育機関や行政機関も入ります。また規模的には一人の自営業から数十万人が働いている会社まで含みます。

マネジメントの意味

マネジメントは、英語でmanagementと表記します。マネジメントは外来語で日本に全く同じ意味を表す言葉はありませんでした。ですので、その使われるところに合わせて、いろいろな訳語ががあてはめられてきました。

基本は「経営」「管理」、まれに「経営者」

マネジメントが意味するものの多くは、日本語で「経営」と「管理」という二つの言葉でほぼカバーできます。
「経営」は全体、管理はそれより細かいところを対象としているイメージです。文献によっては、忠実に「経営管理」という言葉を使ってたりします。

以下に意味と使い方を載せておきます。

①マネジメント=経営
意味:企業が事業の発展のため計画し活動を行なっていくこと
使い方:会社の成功要因は社長のユニークなマネジメント(経営)にこそある。

②マネジメント=管理
意味:目的を達成するための計画と活動
使い方(ビジネスで):部下のマネジメント(管理)がなっていない

③マネジメント=経営管理
意味:「①経営」と「②管理」の両方。
使い方:今回の事故はマネジメント(経営管理)がずさんだったことにある。

それから時々ですが以下のように「経営者」を表す使い方もあります。

④マネジメント=経営者
意味:経営陣、経営者(労働者と反対側)
使い方:労使交渉の結果、マネジメント(経営者)側に有利な結果となった。

「マネジメント=管理」ではない!

  1. マネジメントは現状をただ管理するのではなく、常識的なレベルを超えた成果を将来出すことが期待されます。ただ現状を守っていくだけでは「マネジメント」とはいえません。
  2. また、管理には「支配」「統制」といったニュアンスも含まれますね。会社の中には「支配」や「統制」こそがマネジメントだと勝手に思っている方もいます。それは21世紀には通用はしません。マネジメントに望まれるのは「協働」の実現だからです。管理ということばは冷たいイメージがありますしね!

マネジメントとマネージメントの違い

マネージメントとマネジメント。どちらが正しいのでしょうか? 英語で発音するとマネジメントの方が近いようです。ネイティヴの発音に適した表記を確認すると mˈænɪdʒmənt(米国英語)ですから。

出典:managementの意味 – 英和辞典 Weblio辞書

マネジメントの役割

組織(会社など)の目的を達成するため、会社のリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)を効果的に使っていくことです。その際、忘れてはいけないのは、長期的な時間軸を持つことです。そして実際にそれを担当するのは、いわゆるトップと言われる取締役クラス、そして業務を執行するミドル(中間管理職)です。トップの行うマネジメント業務のことをトップ・マネジメントといったりします。

ドラッカー(ドラッガー)とマネジメント

マネジメントについて、最も早く、そして最も本質的なことを述べたのが経営学者のドラッカー(ドラッガー)です。ドラッカーは多くの著書を残しましたがその中で「マネジメント」について体系化しまとめた代表作がずばりそのもの『マネジメント』です。

ドラッカーは、まずマネジメントについて3冊からなる大著を書きました。

以上の3冊は大絶賛を浴びまして好評だったのですが、いかんせんページが多すぎ(全部で約1000頁)、読み通すには骨が折れます。何とかエッセンスだけをあつめたようなものが欲しいというニーズが高まりまして、登場したのが『マネジメントエッセンシャル版 – 基本と原則』です。

ただ残念ながら、エッセンシャル版から読み始めても意味が一般の方にはわかりづらいのではないかと思います。私は、だめでした。どうしてもエッセンスを読みたいのであればそうした目的の本(下記)のほうがオススメです。とても読みやすいです。

それから以下もいいですよ。

『マネジメント』なかから、マネジメントの業務について述べている部分を抜粋しておきます。

基本的なマネジメントの業務とは

①目標を設定すること

②組織すること

③チームを作ること

④評価をすること

⑤自らを含めて人材を育成すること

当たり前といえば当たり前のことですが、こうしたこを常に意識して行うことが重要だということです。

マネジメントの種類・対象

マネジメントを話題にするとき、対象分野を絞って論じる場合があります。ビジネスの世界でよく出てくる「○○マネジメント」についてざっと説明しておきます。

人・モノ・カネ・情報のマネジメント

企業には4つの経営資源があるといわれています。このモノ・カネ・人・情報です。経営を考える際は、この4つに分けると検討しやすいということです。

データマネジメント

ここでは主にコンピュータで処理している情報が対象です。企業が扱うデータは膨大ですが、品質(間違いがないか、遅くないか)の確認や、有効な活用がなされているかという点についてはなおざりにされてきました。巷ではビッグデータという言葉が流行っているぐらいデータへの注目度は増しています。データの品質と利用について管理していこうという考えだといえます。

顧客のマネジメント(CRM)

企業にとって顧客は大変大切な財産です。ところが顧客についての情報を、必要に応じて収集し有効活用するということがないがしろにされてきたところがあります。正式にはCRM(顧客関係管理;Customer Relationship Management)と一般には呼ばれ、顧客一人一人を把握しマーケティング活動に役立てていこうという考え方です。

リスクマネジメント

企業にとってじゅうようなことの1つに「リスクに対する準備」があります。これがリスクマネジメントです。企業にとって想定されるリスクについて対策を用意することです。食品メーカーならば、品質の保全、食中毒対策、安定した仕入先の確保などについて考えておく必要があります。

戦略的マネジメント

経営に関する業務は山ほどあるわけで、必要そうなことを何も考えずに取り組んでいけば、どれほどやっても切りがなく、成果も保証されません。ゆえにマネジメントには、取捨選択ということが必須となります。貴重な時間・金。マンパワーをどんな経営活動に投入していくかについてやるべき事を選び、優先順位をつけて計画的にやっていくのが戦略的マネジメントです。

その会社の内部状況や競合、顧客をみて成果につながることをやっていくことが基本となります。戦略、方針といったものを明確にして展開するとこも必要です。

メンタルヘルスマネジメント

昨今では、仕事に強い不安や悩み、ストレスを抱える人は増えつつあります。その結果として心の不調による休職や離職もまた増えているそうです。そうしたことが起きないよう、働く人たち心の健康(mental health)を管理(management)をしていこうという考え方です。メンタルヘルス・マネジメント検定試験というものまであります。今後はより重視されるべくものだと思います。

プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントとは、企業全体ではなくチームの目標を達成するため人・モノ・金・情報を効果的に使い、計画したスケジュールに従って進捗を管理していく手法のことです。おもにはシステムの開発、土木建築といった業界の他、一般の企業でのチームでやる業務が対象です。PMBOKという団体が中心となり体系化を行なっています。

その他

その他に「アセットマネジメント」「プロパティマネジメント」といったものもよく使われています。

組織のマネジメント

マネジメントを語る時に企業全体を俯瞰して見ないといけない場合があります。社長が企業の将来を考え長期計画やビジョンを考えるときなどです。この時によく使われるフレームワークがあります。「組織の7S」というものです。組織を構成する代表的な要素の頭文字を取ったものです。漏れやダブり無く、組織全体のことを考えられて便利です。世界的に有名なコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー社が提唱したものです。

組織の7S

  1. 戦略(Strategy)
    企業および事業ごとの戦略です。何に力をいれるかということです。
  2. 組織(Structure)
    組織の形態(事業部制など)や役職制度です。
  3. システム(System)
    人事評価、会計制度、情報共有の仕組みなどです。
  4. スキル(Skill)
    各部署ごとの組織として備わっている能力のことです。
  5. 人材(Staff)
    社員一人一人の能力です。
  6. スタイル(Style)
    社風や企業風土のことです。
  7. 価値観(Shared Value)
    従業員が共通に持っている会社や業務に関する認識

1~3(オレンジ色)は組織の構造部分を表し「ハードのS」と呼ばれます。4~7(緑色)は人に関するもの「ソフトのS」といいます。組織がうまくいくためには、ハードとソフトの両方がうまく組合せされていないといけません。

まとめ

マネジメントの対象は非常に多岐に渡ります。内容が膨大で簡単にはまとまらないですね。これらの記事が皆さんの何らかのヒントになれば嬉しいです。お読みいただきありがとうございました。



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