自信(自己効力感)を高める秘訣|答えは◯◯の設定法にあった!

こんにちは。今回は「自己効力感(自信)を高める方法」について説明します。 「自信」ということばは日常用語でして、心理学では「自己効力感」という言い方をします。厳密には同じではないのですが、同じということで話をすすめましょう。 自分自身のことを振り返ってみますと、私は小さい頃は、大人しくて何事にも自信が持てない子供でした。スポーツができる、面白くて人を笑わせるのがうまい、といった子どもが人気があり自信を持って振る舞っていたように思います。自分は全く反対でしたから、自信とはずっと無縁でした。 高校生になって趣味でロックのライブをやったり、また会社に入って仕事である程度認められるようになると少々は自信めいたものが芽生えてきたように思います。 特に営業や企画をやるようになって「商品の知識を増やし書いたり話したりすること」が、実務で人に認められ、明らかに役に立ってていることが自覚できるようになってようやく人並みに自信というものが持てるようになってきた気がします。 その後、心理学の本をいろいろと読み漁る中で、自信というものをどのようにつくっていったらよいのかが理屈としてもわかってきました。誰もが認める超一流のアスリートでさえ自信を持てないという時もあるそうですから、自信は本人の能力とほんとは無関係なのですね。 基本は本人の日々の意識、マインドセットがポイントとなるようです。今回は自信、自己効力感を高める基本を解説していきます。では始めましょう。

自信と自己効力感

自信という言葉には辞書をみると「自分で自分の能力や価値などを信じること。自分の考え方や行動が正しいと信じて疑わないこと。」(デジタル大辞泉)という意味があります。 自信とは次のふたつの意味があります。 ?自分の能力に対する信頼 「試合で勝てる自信はあるか?」「この営業ノルマを達成する自信はあるか?」といった場合の意味です。自分が行動したときに結果を出せる可能性の意味です。 ?自分の考えや行動に対する信頼 会議で意見を求められた時、そもそも必要な知識がなかったり、十分に検討する時間がなかったりした場合は「ちょっと自信がないのですが・・・」という言い方をします。このように自分の主張について確信の度合いを意味します。 今回は、前者?「能力」のほうをテーマとします。こちらについては、心理学でかなり研究が進んでます。心理学では「自信」という言葉は上記のように、意味の範囲が広いので?のほうを「自己効力感」という用語を使って曖昧さをなくした形で扱っていると思ってください。ではこの「能力に対する自信」である「自己効力感」について説明していきます。

自己効力感とは

カナダの心理学者アルバート・バンデューラによって提唱された概念です。 「ある結果を生み出すために必要な行動を、どの程度うまく行うことができるかについての感覚」というのが定義です。簡単にいうと「自分にそれをやる能力がありそう」「自分ならできそう」というように思える感覚のことです。 自己効力感というのは、単なる感覚ではありますが、その程度により、実際の行動に対して次の3つの影響を与えるとされています。
  1. その行動を実際に始めるか否か
  2. どのくらい努力を継続できるか
  3. 困難に直面したときにどのくらい耐えられるか
世の中のあらゆることは、人が行動しないと始まりません。以上の3点は、どんなことをやるにも必須のことです。一定の行動を早く、長く、たくさん行うことが成功の条件です。これらが制約されるのは影響大ですよね。 自己効力感が低い、つまり自信が無いということは成果をだすという点からみると非常に不利であることがわかります。「自分はどうせうまくできないだろう」「きっと失敗するにきまってる」などと思ってしまいがちなので、行動が鈍ります。結果として物事はうまくいきません。 当然ながら、その影響でさらに「自己効力感」は低くなります。負のスパイラルに入ってしまうのです。 反対に自己効力感の高い方は、何事も「私ならできるかも!」「なんとかなりそう!」と思います。ゆえに軽やかに行動できるので、当然よい結果が出やすくなります。これを繰り返せばよりよくなっていくのでプラスのスパイラルに入れます。

自己効力感を高めるには?

「自己効力感」が高いほうがいいことは当然ですよね。そもそも高めることは可能なのでしょうか? 幸い自己効力感は、個々人の努力で高めていくことは可能なようです。自己効力感は人が生きていく中で培われていくもので、遺伝などで先天的に決まっているものではないからです。研究の結果、4つの情報源から自己効力感が生み出され、促進されていくといわれています。4つの情報源とは以下の4つです。

自己効力感を高める4つのこと

達成体験

自分自身が経験した成功や達成の体験です。4つの中では最も自己効力感を高められます。よくいわれている「小さな成功体験をコツコツと積み重ねていこう」というのはこのことを意識していわれているものです。

代理経験

他人が達成している様子を観察することで高められます。可能なら自分と似たような人のほうがよいとされています。 伝記やテレビのドキュメンタリー番組で他人の成功を追体験することなどもいいそうです。

言語的説得

自分の持つ能力、及び達成の可能性について、言葉で繰り返し説得されることです。他人から言ってもらう以外に、自分自身に言い聞かせる、書いて確認するというのもありです。 他人はできれば、その人自身が信頼できる、先輩や専門家、教師やコーチが好ましいことはいうまでもありません。

生理的・情緒的な高揚

いわゆる「気分」のことです。気分が良い時と悪い時でどちらがやる気が出るかといえば、当然気分がよいときですよね。自己効力感を高めるには、気分自体をコントロールすることも有益です。音楽を聴くことでやる気を高めるというのは当たり前に行われてますし、ネガティブな感情やストレスを減らそうとすることも同じです。

自己効力感を高める「達成体験」には正しい目標設定が必要だった!

たぶん、上記の「?達成体験」をとにかく積み重ねていくことがベストであることはたぶん、どの研究者や実務家も知っていますし、実行しているでしょう。 ですが、本当にそうなのでしょうか、それで実際に自己効力感は高まるのでしょうか? 私は非常に疑わしいと思っています。一般の社会人を例にしてみましょう。普通にサラリーマンやOLとして10年も20年も働いていれば、そこそこの努力はみなしています。 「そこそこ」といったら語弊がありますね。命を削って、大変な努力をして、厳しい労働環境の中で頑張っているといったほうがよいでしょう。だとしたら一般の社会人は膨大な「達成体験」を積んでいるはずです。そうじゃやなきゃ、給料がもらえませんから!! では多くの人が自己効力感が高められている人ばかりかというと否定せざるを得ません。もちろん私もその一人です。あなたの周りにいる人はいかがでしょうか? これは企業勤めの人だけのことかと思うとそうでもありません。アスリートでも職人でも受験生でもたぶん同じでしょう。これは何ででしょうか。不思議ですよね? このことが以前からずっと疑問でした。ですが最近、わかったのです。成果をコンスタントに出し続けるアスリートや、起業家らが受けているメンタルトレーニングというものを知ったからです。 達成体験をただ積むことではだめで、それらの体験(仕事・練習・勉強など)を主体的に管理していく姿勢、視点、態度といったものこそが「自己効力感」を高めるのではないかと。 一言で言うと「目標設定」です。要は、正しい目標設定をせずにがむしゃらに努力しても「自己効力感」はアップしないのではないかと! また私自身も、ある方のご指導で日々の活動の目標管理をやってみてそれを実感しつつあります。では自己効力感の高まるメンタルトレーニングの目標設定について述べます。

自己効力感の高まる目標設定をメンタルトレーニングから学ぶ

メンタルトレーニングというのは、主にスポーツの分野で行われている心のコンディションを整えるためのトレーニングです。メンタルトレーニングにいくつかの訓練項目がありますが、目標設定は最も重要といわれています。 ここでは、森川陽太郎氏の「絶対的な自信をつくる方法」から目標設定の方法を紹介したいと思います。プロゴルファー横峯さくらさんのメンタルトレーナーでもある彼は、著書の中で「適切な目標設定こそが、自信を作る土台となる」と言い切っています。とても参考になります。彼の主張を一言で言うと、次のように表現できます。
一口サイズのリアリティーのある目標設定
当面の目標設定は、常に自分が確実にクリヤーできるレベルにすることがまず第一だそうです。 そのときに確実にできることに挑戦します。普通は、できていないことに挑戦しますがここが違うところです。 例えば月にセールスが10件しか成約できない営業マンがいたとします。そうしたら当面の目標は月10件を確実にクリヤーしていくことでよいそうです。それが問題なくできるようになった時点で次の目標、月に11件を設定します。そうして一歩一歩進めていくのです。 段階的に設定する目標値も、絶対自分がクリヤーできるレベルにするそうです。このような目標はリアリティー(臨場感)がすごくあるので心理学的にも達成が容易なんです(いうまでもありませんが)。 無理をしないでコツコツ進むことの利点は、いくつかあります。1つは自分の実力を素直にまず認められるようになることです。たいていは他人と比べて自分の現状を否定している人が多いですよね。劣等感が増し自己肯定感が失われます。 他人との比較を一切やめ、我が道をいく覚悟をすることで「劣等感」が減ります。また現状の自分を受け入れる(自己受容する)ことで「自己肯定感」も高まるのです。 元々無理なくスタートしているし、着実に達成できる目標を決めるので、自然と目標達成はできていきます。それにより「自己効力感」がバンデューラの言うとおり向上すると言う仕組みです。 またもう一点強調されているのが、目標設定の際、「思考」ではなく「感情」を基準に目標設定することです。普通は「感情に流されるな」っていいますよね? 実は逆が正しかったんです。 普通は、自分には無理な目標を目指してしまったりします。「為せば成る」「やってできないことは無い」と考えるからです。そして「気合いでやろう」ということになるのですね。 でも正しいのは、無理な目標を目指しそうになったら、「苦しい! この目標はしんどくて、できそうにないぞ」という感情の存在を認めて「今できることだけを確実にやろう」と仕切り直すことなのです。 そうすれば自分の心(感情)も安心してくれるので、前へ向かって行動できるわけです。このほうが確実ですよね。しかも自己肯定感も上がります。自分の感情を無視せず大切にしてあげてるからです。 以上が、最も重要な点です。

自信の高まる目標値の設定

では最後に具体的な目標値の設定を上げておきましょう。「早起き」はたたいへん多くの人がチャレンジしています。ちなみに私もです! ここで先のメンタルトレーナー森川氏のおススメと、メンタリストDaiGo氏のおススメを書いておきましょう。例えば今7時に起きている人が6時に起きることを目標にする場合です。
?メンタルトレーナー森川氏のおススメ 最初の目標:1週間に1日だけ6時に起きる。 次の目標:1週間に2日だけ6時に起きる。 ?メンタリストDaiGo氏のおススメ 最初の目標:6:54に起きる。(6分[60分の10%]早起きする) 次の目標:6:48に起きる。(12分[60分の20%]早起きする)
森川氏は頻度を高めていく方法DaiGo氏は基本は10%の小刻みにしていくという方法を推奨しています。いかがでしょう。両方を組み合わせるのもいいと思います。1週間に一度だけ10分早起きとか…私もすぐできそうな気がします(笑)。ぜひあなたも試してみてください。

中高生に目標設定の早期教育が始まっていた!

こうして考えると、ビジネスパーソンに必要なのは、目標をただ上から指示してやらせるのではなく、目標の達成や管理についてきちんと教えるほうが先なのではないかと思うのは私だけでしょうか。 まして子供のころからスポーツや勉学を通してメンタルトレーニングを学べたら、どれほど自信を持った日本国民が増えるだろうかと! おっと、まずは自分からまずやれと言われそうです(笑)。 そうして調べてみると、何と、驚愕の事実がありました! ビジネス手帳を中高生に使わせることで目標達成力を高めさせる活動が既に行われていました。これは能率手帳というビジネスパーソンなら誰でも知ってる手帳の老舗、日本能率協会の関連会社が行っている活動です。 国内6万名以上の中学生や高校生にビジネスマン用の手帳を使わせて目標管理と時間管理の手法を指導しているのです。これにより時間管理、目標管理、目標分解、PDCAの回し方まで学ばせ、部活や受験勉強でも成果を出させているんです。 中身をみると結構メンタルトレーニング的なけっこう要素もはいっているんですね。なんと素晴らしい活動でしょうか。また学ぶ子どもたちも立派ですね! 正しい目標設定の仕方が大事だということは、このことでも十分に証明されている気がします。

自信、自己効力感についてのおすすめの本

まとめ

今回は、自信(自己効力感)を高める方法について探りました。そして目標達成に目を向け、最も進んでいる手法として「メンタルトレーナー」のやっていることを紹介しました。 特に知っていただきたいのは、感情を大切にして自己肯定感も高めることです。これを抜きには自信はつきません。 またすごい成果を出している達人がいたら、ぜひどんな目標設定をしているのか、していたのかにも注目してください。きっとそこに成功の秘訣が隠れているはずです。 長文お読み頂きありがとうございました。