ノウハウの体系化とは?
これからノウハウの体系化について書きます。対象とするノウハウ自体、仕事、趣味、学業など非常に幅広く存在しています。どのような分野でも役立つ内容ですが、読者の対象としては、プロとしてのノウハウを、サービスとして提供するような職業の方を意識して書いてます。コンサルタント、カウンセラー、セラピスト、コーチといった方にはお役に立つと思います。 ではまず、言葉の意味をはっきりさせましょう。ノウハウの意味とは?
ノウハウという言葉は、もうポピュラーになっていますね。 物事をうまく行うための、技能、コツ、手法という意味です。 仕事はもちろん、日常生活でも知りたいノウハウっていろいろありますね。女性は美容や料理、男性なら恋愛(未婚の場合)、ギャンブル。子供ならゲームでしょうか。ビジネスだと、営業や接客、企画などで優秀な成果を出せると「よいノウハウを持っている」ということになります。体系化の意味とは?
体系とは、一定の基準に従って、誰でもがわかる形にまとめ上げられたもの。「化」が付くと、何かをそういう状態にするということですね。 身近で体系化されてる代表的なものというと以下のようなものが思い浮かびます。 ・日本十進分類法 ・元素周期表…化学の授業を思い出しますね~。ノウハウの体系化とは?
ノウハウの体系化とは、両者をいっしょにしたものです。【ノウハウの体系化 定義】 物事をうまく行うための、技能、コツ、手法を、一定の基準に従って、誰でもがわかる形に文章・音声・イメージでまとめることイメージとは、絵、イラスト、写真、動画、音声などです。例を挙げれば、会社の業務マニュアルなどが、まさにそれです。ノウハウを体系化して印刷物にしたものですね。 今はまとめ方、表現の記録法は紙、動画、ネットといろいろありますので、どれでもかまわないのですが、どれでもあてはまる言葉として、まとめた結果は「コンテンツ」と呼ぶことにしましょう。 私は高校時代、マクドナルドでバイトしていたことがあります。実にみごとな業務マニュアルがありました。初めての人でも、すぐに理解できるテキストとビデオに感心した覚えがあります。 これはみんなが知ってる有名な例ですが、ここまでできてる会社はなかなか無いですね。でも、マクドナルトは最先端の外資で、大会社だから、ノウハウの体系化ができたと思ったら、それは間違いです。 それはノウハウを体系化しようという意思と、体系化の正しい方法を知っていれば誰でもができることなのです。そのことを説明しましょう。
日本人はノウハウの体系化が大好きだった
実は日本って、昔からノウハウの体系化が好きで、長けていたって知ってます? 例を挙げましょう。 ・茶道/花道 ・武道(柔道、剣道、弓道・・・) ・将棋/囲碁 どれも段や級があり、それぞれ何ができると上のクラスに行けるかが、決まってます。独立する場合、プロになる場合の段取りまで決まっています。それも江戸時代から。みごとですね。 これだけ、体系化されているから文化・芸術としても、オリンピックでも通用するレベルのスポーツとしても世界的にも通用する成果と人材が出ているのだと思います。 ちょっと話は脱線しますが、武道って実はもっともっと体系化されてたって知ってました? 私、健康面でもノウハウ・コレクターでして、一時期、指圧を勉強したことがあります。なんと昔は指圧って、武道(武士道)の一部でもあったって知ってました? 戦国時代、武士が生き残っていくためには、剣技に秀でることはもちろんですが、身体のケアもできることが必須だったようです(いつ怪我をするかわかりませんし、医療もお粗末でしたからね)。 ですので、当時なりに最新の医学知識を収集し身に付ける努力をしていたようです。その中で日常の簡易なケア手段として「指圧」も使われていたようです。 ちゃんと中国医学の経絡の要諦部分もきちんと押さえたものでした。当時の武士は、幅広い分野から必要なことを集め、武道の一部として取り入れていたんですね。 徳川家康が薬草マニアだったのは有名ですが、時代的にはそれほど特異なことではなかったと思います。ビジネスにおいてノウハウを体系化することの4つの効果
ノウハウの体系化の意味が少しはわかってきていただけたでしょうか。 次に、ノウハウを体系化するメリットを述べましょう。ノウハウはさまざまなものがありますが、ここではビジネスに関するノウハウに限定して説明します。ノウハウを体系化し、誰でもわかる「コンテンツ」とすることで次のようなメリットが生じます。ノウハウ自体の評価が上がる。
ノウハウを体系化するということは、ビジネスの最も大事な部分が目に見えるようになるということです。ノウハウというものは、基本は目に見えません。ですが、文章・音声・イメージという五感で感じられるコンテンツにできた瞬間、別の価値を持つようになります。 ノウハウという抽象的なものが、「形」のあるコンテンツという具体性を持つことで、社員、顧客にその価値が実感できるようになります。人は形があるものに惹かれるからです。 武術や忍者映画によく出てくる定番のストーリーに「武術の奥義の書かれた【巻き物】の奪い合い」というのがあります。これも、武術のノウハウが「巻物(まきもの)」という形になっているからこそ成り立つわけですね。 また、形を持つと人からの信頼度が上がります。ノウハウがまとめられたドキュメントファイルや、DVD、本、youtubeの動画があれば、ノウハウ自体の存在は疑いようがなくなるからです。ノウハウが伝えやすくなる
ノウハウが体系化されカタチを持った瞬間、そのノウハウは開発した人間がいなくても、他の人に伝えることが可能となります。特にこのSNSの時代、それは顕著です。たったひとりの頭のなかにしかなかったものが、SNSで膨大な数の人たちに伝わる可能性が出てくるわけです。影響力が格段に違いますね。ノウハウを維持・発展させやすい
また、ノウハウを体系化すること自体にもメリットがあります。体系化する時点で、ノウハウそのものが、見直され、検証されるからです。いままで見落としていたこと、足りなかったことも発見できよいよいものにブラッシュアップされます。 また一度、見える形にすることで、誰もが改良に携われるようになりますね。開発した本人も、客観視できるので一層、改善の速度が早まります。 特にメリットが大きいのは、コンサルタントやセラピストさんです。毎回、その時々の感覚で教えたり、コンサルティングしていたら、クライアントさんの成果にバラつきが生じます。それも防げるようになるわけです。ノウハウの持ち主のブランディング
ノウハウを体系化し、形にすることで、開発した人の専門性がアピールできるようになります。特に目に見えないサービスを提供している職業の方(コンサルタント、カウンセラー、セラピスト等)は、何の専門家かが明確になります。 これは、ノウハウを体系化できてない、コンテンツを持っていない他の専門家に対して、優位性を持てるようになります。まさにブランド力 となるのです。ノウハウの体系化には、大企業も懸命に取り組んでいる!
こうしたビジネスのノウハウを体系化していくということについては、すでにかなりの研究がされ、「ノウハウ体系化」の「ノウハウ」も蓄積されています。経営用語でいうと「ナレッジマネジメント」「知識継承」と呼ばれる分野がそれにあたります。 企業は、様々なノウハウの集合体です。ですが体系化しておかないと、社員が辞めれば消えてしまいます。それでは困りますからね。研究者や実務家が、いろんな手法を提唱し、いろんな形で取り組まれています。 私が以前働いていた会社では、「ナレッジマネジメント」のためのソフトウエアを開発・販売してましたのでこのあたりのことは、ずいぶんと勉強させていただきました。ここで書いていることも、その一部です。 例えば、星野リゾートという、今すごく伸びている宿泊施設の運営会社があります。企業ビジョンを「リゾート運営の達人」と設定している会社です。、赤字になったリゾート施設を再生するのが得意で、買い取ったホテル・旅館はどこも盛況でうまくいってます。 ここはナレッジマネジメントでも先端をいっています(業界でも有名)。 コンピュータとネットの力で従業員全員がノウハウと経験を共有しています。そうすることで「旅館の女将」しかできなかったレベルのホスピタリティサービスを、全ての従業員が行えるようになることを目指しているそうです。 実際に使っているのは、スタディストのTeachme Bizという動画マニュアルシステムですが、まさしく日々「ノウハウを体系化」しまくってます。 大企業にとって、ノウハウはとても大事なので、ノウハウを創り、体系化し、維持するということは最優先課題なのです。 またもう一つ大事なことがあります。ノウハウを保護するということです。他人に知られたら、企業の存続に関わることもあるからです。(コカ・コーラの製造レシピがその例です)。 もしもノウハウが「発明」と言えるレベルの高度な創作性があれば「特許」が取れる可能性もあります。Amazonの「1クリック特許」は有名ですね。またあまり知られてませんが「不正競争防止法上の営業秘密」で保護するやり方もあります(下記参照)。 ビジネスモデルやノウハウを保護する3つの方法とそれらの関係 http://www.sumoviva.jp/knowledge/law/law-3.html 以上のとおり企業規模の大きいい企業は、積極的にノウハウの体系化とマネジメントをやっていることがおわかりいただけたでしょうか。 ノウハウが生命線である中小企業、自営業も積極的に取り組む必要があるということですね。ノウハウ 体系化の方法
いよいよ本題です。ノウハウ体系化の方法を説明します。方法の全部はこの記事だけでは書ききれないので、ここでは、そのポイントとして、どんなことを盛り込めば、ノウハウの体系化の質が上がるかについて説明します。 ここまで読まれた方は、ノウハウを文章化したり、動画に撮ったりすれば、ノウハウのコンテンツができあがると思われているかもしれません。しかしそれは単なるノウハウの記録でしかありません。 多くは、ノウハウを実施する、もしくは習得するための手順や段取り、そして精神論や自分の体験ぐらいを掲載しているだけです。 大事なのは、それだけでなく下記に掲げた「ロジック」「マインドセット」「再現条件」も盛り込むことです。【ノウハウを体系化する際に絶対入れるべき項目のリスト】
?目標:どんなレベルのことを達成できるのか。
?手順:何をどのようにやるか。
?ロジック:このノウハウの背景と理由
?マインドセット:どんな心構えでやったら達成できるか・継続できるか
?再現条件:ノウハウを習得する、成果を出せる前提条件
上記の内容をきちんと入れておくことが、正しいノウハウの体系化です。
そうしないと、まとめたコンテンツを売るにしろ、社内教育に使うにしろ、学ぶ側からみると不完全なので、不評が出て、結局使われずに終わってしまうことになりかねません。
では各項目について順番に説明していきましょう。
目標:どんなレベルのことを達成できるのか。
どこを目標にしているのか、また目標にできるのかを述べます。 例えばダイエットなら、どのくらいの期間で、どれくらい体重が減るのか、またその値はどういう意味があるのかを述べます。対象者は、ダイエットに何回も失敗している人なのか、初めての人なのかとかでしょうか。性別や年齢、健康状態も欲しいとことですね。 そして、顧客の現実をスタート時に、しっかり認識してもらった上で、うまくいったとき実現できる未来を伝えます。理想の未来については、臨場感豊かに描いてあげるといいです。 実際にはそれだけでモチベーションが保てるわけではないのですが、少なくとも最後までコンテンツを読もう(見よう・聞こう)という気持ちは持ってもらえます。手順:何をどのようにやるか。
ノウハウを学ぶ上で「肝」となる部分です。ここは、とにかく情報の漏れを無くすこと、そして系統立てて述べることに注力してください。製品の取扱い説明書とかで抜けや漏れがあったりして困ったことってありませんか。それと同じです。 手順の説明の方法は、鉄板ともいえる方法があります。「ステップ」「リスト」「補足情報」という3つの要素で組み立てる方法です。あらゆる手順はこの3つで表現が可能です。概要
まず手順の骨格となるのが「ステップ」と「リスト」です。 手順とは、何らかの「行動(やるべきこと)」の集合です。「ステップ」というのは、時系列で並べた行動の順番で、ものごとを進める上での段階、ステージといえるものです。 例えば、友人とハワイへ旅行に行く場合の手順は、以下のように「ステップ」を使って説明できます。ステップ1 計画する
ステップ2 チケットを手配する
ステップ3 当日、交通機関を利用する
「リスト」というのは、あるステップから次のステップにいくために必要な行動を並べたものです。普通は複数あります。
上記の例でいうと「ステップ1 計画する」においては以下のとおりリストが並びます。
・誰と行くかを決める
・日程を決める
・何処を見て回るかを決める
・予算を決める
以上のような感じで、「ステップ」と「リスト」の2つを、漏れに注意して配置すれば、誰でも簡単に完璧な「手順の骨格」が作れます。
骨格ができたら、そこに「補足情報」(ヒント、コツ、具体例、チェックリストなど)を加えます。「手順」だけがわかっても、微妙なコツやヒントこそ重要だということが多々ありますから注意してください。
ダイエットもセールスも婚活も手順は、極端な違いは無いでしょうから、「補足情報」の部分こそ実は大切なんです。
では「ステップ」「リスト」「補足情報」の使い方について、もう少し詳しく例を挙げて説明しましょう。
例えば普通のカレーライスを作るノウハウを体系化するとしたら手順書は以下のようになります。
※こんな単純なテーマは、本来、ノウハウ体系化の「対象」にしませんが、例はシンプルなほどわかりやすいのでお付き合いくださいね。
「ステップ」の書き方
「ステップ」というのは、時系列で並べた行動の順番です。ステップのみを書くと以下のようになります。(料理道具とキッチンはそろっている前提で)
カレーライスを作る手順 ステップ
◎カレー
第1ステップ 材料を購入する
第2ステップ 野菜を洗って切る
第3ステップ お湯を沸かす
第4ステップ 野菜を入れる
第5ステップ ルーを入れる
第6ステップ 肉を入れる
第7ステップ 煮込む
完成
◎ライス
第1ステップ 米を購入する
第2ステップ 米の分量を計る
第3ステップ 炊飯器へ入れる
第4ステップ 水を適量入れる
第5ステップ スイッチをセットする
完成
時系列でちゃんと「やるべきこと」が並んでますよね。
このように目標がゼロの状態から、達成の状態までの段階やプロセスを、区切って記述したものがステップです。
「リスト」の書き方
次に、「リスト」の配置です。「リスト」というのは、あるステップから次のステップにいくために必要な行動を並べたものです。 「カレーの第1ステップ」では材料を購入しますが、材料は複数あるのでリストとして加える必要があります。 カレーはリストの追加が必要ですが、ライスはリストの追加は不要です。 カレーにリストを追加するとしたら、こうなります。
カレーライスを作る手順 ステップ&リスト
◎カレー
第1ステップ…材料を購入する
リスト1=カレールーを購入
リスト2=野菜を購入
リスト3=肉を購入
リスト4=薬味等を購入
第2ステップ 野菜を洗って切る
リスト1=ジャガイモを切る
リスト2=人参を切る
リスト3=玉ねぎを切る
(以降省略)
こんな風に簡単に手順は作れます。
リストは、すべての行動が次のステップへ進むのに必要な場合と、いずれかを並べればよい場合もあります。
また、ノウハウの中には、内容がシンプルでステップなしで、リストのみという体系化もあり得ます。たとえば、「カレーライスに加える隠し味のノウハウ」であれば、リストのみでOKです。
例 「カレーライスに加える隠し味のノウハウ」
・インスタントコーヒーを加える
・漢方系胃薬を加える
・蜂蜜を加える
・チョコを加える
・りんごを加える
●「補足情報」の書き方
「ステップ」と「リスト」で手順の「骨格」はOKです。ですが、それだけでは情報が足りません。「補足情報」を加えてください。「補足情報」というのは「ステップ」と「リスト」を補足する情報です。
次のようなものがあります。
・チェックポイント(リスト)
必要な詳細行動のリストを、チェックが付けられる形で書いておいてあげましょう。 「カレー 第1ステップ(材料購入)」なら、購入する野菜のチェックリストがあるとい いです。例:購入野菜のチェックリスト
□じゃがいも
□玉ねぎ
□人参
□グリーンピース
・コツ/ヒント
ちょっとした工夫をすることで、成果に影響することを書きます。これらを「ステップ」や「リスト」
に加えるとゴチャゴチャするのでオススメしません。
例:カレーライス
・ジャガイモはどの品種がカレー向きか?
・市販カレールーを選ぶコツは・・・。
・玉ねぎを炒めて、コクを深める方法
・具体例やサンプル
具体例は必須です。またノウハウの種類によっては画像などもつけましょう。
特にソフトの使い方、書類の書き方などがある場合は必須です!
・例外処理
経験的に予想外のことが起こりうることを知っている場合は、対策を伝えましょう。例: カレーの味が辛くなりすぎた時は、ヨーグルトは蜂蜜を入れましょう
・画像、動画、音声
必要に応じて途中の工程や完成時の写真などを掲載しましょう。またYouTubeなどの動画を使えば、わかりやすいのでより理解度を増すことができます。・具体例
いうまでもないことですが、ノウハウを説明したら、例を入れてください。多いほどわかりやすさが増します。・失敗や勘違いをしやすいこと
ノウハウを、すでにいろいろな人に試せている場合は、ミスや勘違いしやすい点がわかっていると思います。それも伝えてあげましょう。・その他
ツールとして使えるフレームワーク、参考文献などがあれば載せてください。 以上のような補足情報を、どれだけ多く載せられるかがコンテンツの質を左右することになります。忘れないようにしましょう。ロジック:個々の行動をやらなくてはいけない理由、背景
指示された手順を実行しなくてはいけない理由を筋道立てて、わかりやすく説明してあげてください。ノウハウ開発者にとっては当たり前のことでも、他人には理解できないことがたくさんあるからです。 例えばですが、営業の新人社員に「一日○○件の客先に電話しろ」とか「毎日○○件、飛び込み営業せよ」と入った感じで、ひたすらやらさせる会社があります。 昔ならいざしらず、今の人たちは、 「なぜ、そのアクションが成果に結びつくのか」 ということが納得できないと動きません。 ひょっとしたら、飛び込み営業は非効率だけれども、 「新人営業マンの壁を超えさせるためのトレーニングになるからやっている」 「数をこなせば、一定の確率で成果にむすびつくことを体得させる」 という目的やらせていたのかもしれないのです。 だとしたら、そのプロセスが自分個人の営業力の伸長にどう役に立つのか、ここで頑張ることが、どのような未来に結びつくのかまで含めて、最初に説明してあげれば、いいのです。 ノウハウを学ぶ側は常に、そんな新人営業マンと同じ気持ちなのです。やる理由をわかりやすく伝えてあげましょう。マインドセット:どんな心構えでやったら達成できるか・継続できるか
これも大事です。どのような技能や知識であれ、習得する、行動するにはそれなりの心構えが必要です。 例えばTOIECの800点を目指すノウハウを売るとします。文法、単語、読解、発音の勉強法をいかに分かりやすく解説したところで「どうしたら毎日、コツコツ続けられるか」というマインドセットの問題を解決してあげないと、間違いなく失敗します。 例えばですが、TOIECで800点を取れたノウハウ開発者がいたとしたら、もともとマインドセットができていたから勉強が続いた可能性が高いわけです。そこを認識しましょう。このことは、継続的なトレーニングを必要とするノウハウ共通の課題です。 その開発者がノウハウを確立できたのは、理想的なマインドセットが有ったからだという可能性が大きいことを忘れないようにそしましょう。理想の未来を書き連ねるだけで、努力を継続してくれることはほぼありませんので! なお、モチベーションに関する知識は、心理学や脳科学の本などをみておいてください。新しい事実が明らかになりつつあります。成功したイメージを想像させるほど成功しないという、笑うに笑えない研究結果もあります。少なくとも1000円程度で科学的エビデンスに基づいて書かれた本と矛盾することは伝えないようにしましょう。再現条件:ノウハウを習得し、成果を出すための前提条件
そのノウハウが、どのような人なら成果が出やすいのかも明示しましょう。また条件がある場合、必要な知識や経験も当然表示すべきです。 私は、たまに料理を造ります。料理本を時々買うのですが、掲載されているレシピの品質の低さに腹が立つことがよくあります。0.1g単位の計りを使い、温度計やタイマーを駆使し100%書かれたとおりにやっても、美味しい料理ができない場合があるんです。再現性の確認がなってないんですね。 ちなみにカリスマ主婦と言われている、栗原はるみさんの料理本のレシピは、どれを作っても美味しくいただけます。さすが売れているだけありますね。料理法というノウハウの体系化が再現のレベルも含め、ちゃんとできている証拠だと思います。テレビでもそんな感じのことを語られてました。素晴らしいですね!!まとめ
今回は、ノウハウの体系化について説明しました。ノウハウの体系化の大切さを前半ではお伝えしました。 後半では、ノウハウを上手に体系化してコンテンツとするために、盛り込むべき項目を紹介しました。 ?目標:どんなレベルのことを達成できるのか。 ?手順:何をどのようにやるか。 ?ロジック:このノウハウの背景と理由 ?マインドセット:どんな心構えでやったら達成できるか・継続できるか ?再現条件:ノウハウを習得し、成果を出すための前提条件 ぜひ以上を参考にして、あなたもノウハウを体系化したコンテンツ作りにチャレンジしてみてください。おすすめの本
ノウハウを体系化するときには、究極の知的能力が要求されます。ぜひ以下の3冊を読んでください。哲学や論理学の本をかじっても凡人には役にたちづらいです。読み終わった瞬間から役に立つことを保証します! ?考えるということはどういうことなのかを突き詰めた本。体系化とは、思考の結果。考えるノウハウを知らずして成立はしません。絶対に読んでおいたほうが得!
『コンサルタントの読書術 確実に成果につながる戦略的読書のススメ』
著者:大石哲之 | 出版日:2013-12-08
出版社:tyk publishing | ASIN:B00AFZVMOS