顧客ニーズを捉えるヒント

ニーズ

こんにちは、今回は「顧客ニーズを捉えるヒント」についてまとめてみました。 ビジネスをやっていく上で、顧客のニーズを知ることは最も大切なことです。商品やサービスが売れるのは、一人一人のお客様が欲しいと思い選択してくれた結果です。 その思いや理由を知ることで、より顧客を喜ばせ役に立てるようになれると考えられているからです。 しかし、人の考えや気持ちを正確に知ることが難しいのは、日常生活で感じているとおりです。今回は、顧客ニーズを知る、把握するために必要な最低限の流れを、説明します。 ニーズを掴むのは一朝一夕でできることではありませんが、この記事を理解いただければ、その基本は掴めるはずです。ぜひあなたなりにヒントを掴んでください。 それではさっそく説明を始めましょう!

顧客ニーズの意味とは

顧客とは、自社商品を買ったことのあるお客様のことを指しますが、広い意味では将来買いそうな見込み客も含んで言います。日常品(シャンプーとか飲食物)はそういった使い方が多いです。 ニーズという言葉の意味は「何か欲しいものが足りていない状態」のことです。詳しくは「ニーズの意味とは何か? 整理してまとめてみた!」を御覧ください。 ですので「顧客ニーズ」とは自社商品を買ってくれた方、または買う見込みのある方が、何か欲しいものが足りていない状態」だといえます。経営用語としてはこんな感じです。 実際にこの言葉が使われるのは、新商品の企画をしているときですね。 「顧客ニーズを探れ!」 私も幾度となく職場で言われてきました。この場合の「顧客ニーズ」の意味は「顧客が具体的には言ってないが絶対欲しがるもの」といった意味合いでしょうか。実際に使われるのはこちらの意味合いのほうが多いと思います。 企業は売れる商品・サービスを企画するため、顧客ニーズの収集にかなりの手間と金額を使います。優秀な企業ほど、ちょっとした兆候も見逃さないよう、常に顧客について知る努力をしています。特に過去、自社製品を買ってくれた客の情報は定期的に集めるしくみを持って。小売業は別として製造業であれば、使用現場である一般家庭や取引先に様子を見に行くのは当たり前にやってると思います。 さて、実際に顧客ニーズとしうのはどのように把握し、どのように分析・判断をすればよいのでしょうか? ここでは新商品企画、既存商品の改良を目的とした「顧客ニーズの収集と分析」を例に説明したいと思います。「顧客ニーズの収集」そして「顧客ニーズの分析」について順にいきましょう。

顧客ニーズの収集

顧客ニーズを見つけ出すことは、ベテランのマーケターや営業パーソンにとっても簡単なことではありません。しかしビジネスにはとても必要なことなので、顧客ニーズを把握するためにいろいろな方法が開発されてきました。マーケティングリサーチというものがそれです。半世紀以上の歴史があります。現在、行われている方法は以下のようなものがあります。 ?営業、アフターサービスの担当者へのヒヤリング ?オープンなデータの収集 ?書面やWEBでのアンケート調査 ?インタビュー調査 ?ソーシャルリスニング(SNS、ブログの内容を収集分析) ?行動観察 また最近では、?統計処理(ビッグデータ)も使われています。 どれもかなりの熟練した技術と知識が必要です。やり方によっては多額の経費がかかる場合も多いですね。それぞれについて語ると1冊の本が書けるぐらいのものですからここでは説明は省略しますね。 ちなみに私は二十代のころ「?行動観察」を徹底的にやらされました。顧客の買い方を視るため、ボーナス時期の土日はいつも販売店や駅の改札などで数時間は立って見てました。懐かしい思い出です。

顧客ニーズの分析

ここが今回の記事で最も大事なところです!! 上記の7つの手法で収集した情報は単なるデータです。そのままでは使い物にはなりません。そこから顧客ニーズを読み取らねばなりません。 様々な分析のやり方がありますが、私が最も優れていると思う高杉康成氏の提唱する分析法を紹介しましょう。ちなみに高杉氏は先ほど紹介したキーエンスのOBで、私の尊敬する企画マンです。 やり方ですが、先ずニーズを大きく二つに分けて捉えます。それは「顧客ニーズの広がり」で分けます。「ニーズの広がり」とは、ある特定のニーズを感じている人数、人の割合です。 顧客のほんの一部しか気づいていない場合、そのニーズは「ミクロニーズ」といいます。実際には、大多数の人が同様に思っているのかもしれませんが、ほんの一握りしかニーズを感じている人を把握していない段階といってもいいでしょう。 反対に顧客の大多数が感じているだろうと思われるニーズがあります。それは「マクロニーズ」といいます。この「マクロニーズ」は、ざっくりというと、ある商品の見込み客だけでなく、日本人全体に共通するニーズぐらいの感じで捉えておくといいです。とはいっても、マクロニーズを個人が一から見つけるていおくのは至難の技ですが・・・。 それから、時代とともに現れてくるマクロニーズがあります。高杉氏は、それを「トレンド」とも呼び通常のマクロニーズと区別します。流行り廃りがあるからです。 幸い高杉氏は、20ほど実戦で使えるトレンド(マクロニーズ)を、例として載せてくれているので参考にその抜粋を載せておきます。大変秀逸なリストなので共有したいと思います。 全てトレンドという言葉がついていますが、これらは時代性のあるニーズだからですね。
20のトレンド(トレンドとは時代ともに現れる「マクロニーズ」のこと) 在宅サービスのトレンド 駅チカ駅ナカトレンド 自然素材トレンド 時短トレンド 簡単トレンド 食べきりサイズトレンド ながらトレンド コミュニティ(SNSブログ利用)トレンド 個性的デザイントレンド 手作りトレンド 教育トレンド 電子化トレンド セルフサービストレンド 一人世帯トレンド キャッシュレストレンド ハイブリッド化トレンド リセールトレンド 企業の研究開発強化トレンド 工事の短期化トレンド 職人不足トレンド 出典:高杉康成(2015)『一流ビジネスマンは誰でも知っている ヒットの原理』 日経BP社p.58の表を改変
なんだか、これをみているだけで、新商品のアイデアが出てきそうです。素晴らしいですね! 本当は、こうしたマクロのニーズは個々のマーケターが個人的にストックしておくものです(会社単位でもOK)。商品企画のプロは、みなこっそり頭の中にこうしたパターンを持ってます。あなたもぜひコツコツと貯めていってくださいね。 で、ニーズの分析はこの二つのニーズの適用場所を使い分けることで行っていくのです。まとめると次のようになります。
マクロニーズとミクロニーズの使い分け ?既存の顧客向けに新商品を売る=ミクロニーズに注目する ?新しい顧客向けに既存商品を売る=マクロニーズに注目する ?新しい顧客向けの新商品を売る=マクロニーズとミクロニーズの両方に注目する 出典は上記と同じ
マクロニーズとミクロニーズを組合せて3つのマーケットに対応できるんです。おもしろいし使えそうですよね。

マクロニーズとミクロニーズの使い分け 実例編

これだけでは、わからないので、身近な例で説明します。このマクロニーズとミクロニーズの使い方を、牛丼屋さんを例に説明しましょう!(これは私の分析例です)

既存の顧客向けに新商品を売る→ミクロニーズに着目

これは、どこの牛丼店も、ちょっとしたミクロニーズに応えるようにしてますね。このミクロニーズを確実にクリアーしていくのはお家芸かもしれません。「大盛り」ですら肉を多めとか、ご飯も多くなるとか色々揃えているし大したものです。トッピング、副菜も年々充実してるし、カレーや麺類、他の豚や鶏肉を使った丼も、きっとミクロニーズを拾っているのだと思います。

新しい顧客向けに既存商品を売る→マクロニーズに着目

以前は、牛丼とは男性専用のファーストフードでした。サラリーマンや若い男性には親しまれる一方で女性には全く見向きもされませんでした。 そのままではいずれ売上が頭打ちになるのは目に見えていました。そこで彼らが取ったのが客層の拡大です。ファミリーという新しい顧客の取り込みを試みます。 彼らが目を付けたマクロニーズは何だったでしょうか? 一番目は「デフレ志向マインド」です。給料がもはや上がらない時代に、家計を節約しようとするのは当然ですね。安くてそこそこ美味しくてお腹がいっぱいになるものは有り難いものです。 二番目は「女性のライフスタイル」の変化ともいうものです。昔は女性は、男性が好んで入るような牛丼やラーメン屋はNGという風潮がありました。ですが、それももう古臭くなったのでしょう。今や、一人でそういったところで外食することは抵抗がなくなってきているのだと思います。 こうしたマクロのニーズの変化を利用すべく、牛丼店はファミリーが入りやすい店舗を増やしていきました。その結果、ファミリーはかなり利用者が増えました。大成功だと思います。

新しい顧客向けの新商品を売る=マクロニーズとミクロニーズの両方に着目

全く新しい顧客向けにミクロとマクロの両方を使ったパターンを挙げます。吉野家がマレーシアに進出した例がいいでしょう。 吉野家は、以前マレーシアに、日本と同じメニューで進出しましたが失敗し撤退しました。 日本人とは味覚や感性が違ったからです。そこで今年、マクロニーズを分析し再チャレンジをしました。 彼ら新たにつかんだマクロニーズは次のようなものでした。 ・辛いものが好き ・牛より鶏肉が好まれる ・麺類が好まれる ・店舗はフードコートが好まれる またマレーシアに先に進出していた飲食店に強力を仰ぎミクロニーズも集めたようです。 吉野家はなるべく全てのものに可能な限り対応をしようとしたそうです。そして彼らは次のようなメニューと店舗を用意しました。 ・温玉スパイシー焼き鳥丼 ・温玉スパイシーチキンカツセット ・温玉スパイシービーフぶっかけうどん ・スパイシー味噌うどん 麺類メニューを揃えるため、子会社の「はなまるうどん」と組みました。しかもフードコートに共同出店したのです。結果は成功でした。 (出典:「日経スペシャル 未来世紀ジパング ~沸騰現場の経済学~」?『マレーシアで大成功した日本人と共にイスラム市場へ!』2016年9月12日放送) いかがだったでしょうか? マクロニーズとミクロニーズという二つをうまく使い分けることで、ニーズというものが本当に活かせるようになるのです。今回はとりあえずこのあたりで。

まとめ

今回は、顧客ニーズを把握するために最低限知っておいていただきたいことを述べました。 顧客ニーズを掴むには、 情報収集の手法を学ぶこと 分析のやり方を身につけること が求められます。個人的な研鑽が必要です。 また「分析のやり方」として今回は高杉氏の手法を紹介しました。 (十分に実戦で使えるものだと思っています。あなたもこの本をぜひ読んでみてください。) 顧客ニーズをサイズで分けて「マクロ」「ミクロ」の二つで捉えます。そして次のような形で実践します。 ?既存の顧客向けに新商品を売る=ミクロニーズに注目する ?新しい顧客向けに既存商品を売る=マクロニーズに注目する ?新しい顧客向けの新商品を売る=マクロニーズとミクロニーズの両方に注目する いつかは、あなたなりに独自のニーズ調査、分析方法を会得すると思いますが、それまではこうした優れたフレームワークを使うことをオススメします。 ニーズは奥が深いですね。ではまた!