SEOよりコンテンツの質を大事にする考え方
ネットをビジネスで使うのがあたりまえになって、もう20年近くたちます。ネットという便利な手段を使っていかに見込み客をつかまえ、関係を作り、説得して商品を売るべきか。様々なマーケティングの手法が試されてきました。 最も代表的なものが「サーチエンジン・マーケティング(SEM)」です。キーワードマーケィングともいいます。GOOGLEの検索で上位に表示されることをひたすら目指すというやり方です。この記事をお読みになっている方は既にご存知でしょう。 SEMは一言で言うと「キーワード至上主義」ですね。顧客の注目するキーワードをフックとして、効率よく見込み客を刈り取るといった感じのやり方ですね。 その後に登場したのが今回のコンテンツマーケティングの考え方です。5年ほど前からいわれ始めました。 コンテンツマーケティングとは、顧客の置かれている時々の状況に合わせて、必要度の高い情報(コンテンツ)を用意することで成果に結びつけるという考え方です。「キーワード」は二の次です。- *コンテンツマーケティングのコンセプト* 見込み客を価値ある情報で、磁石のように見込み客を引き寄せる
- 関心を抱いたら、購入によって問題解決した理想の世界を伝える
- 購入事例など比較検討の材料も惜しまず提供
- 買った後にも、より有効活用するためのヒントやコツを掲載し、シェアしてもらう
サーチエンジン・マーケティングもコンテンツマーケティングも最終目的は同じ。両方をうまく使っていきましょう
マーケティングの流れに合った記事のテーマを設定する
それでは、実際にコンテンツマーケティングではどのように提供すべき情報をリストアップしていくのかを述べますね。(冒頭で約束した、コンテンツマーケティングの美味しい部分です) 多くの場合、見込み客は次のようなステップを踏んで購買に至ると考えれます。会社と商品の存在を知る(認知)
↓ 興味を持つ(興味)
↓ 比較検討する(検討)
↓ 購入する(購買)
↓ 気に入って人に薦める(シェア)
「できる男に見える、新人のためのお手頃スーツ選び」
同じく紳士服店で「検討」の段階の読者を対象とするならば…
「クリーニング不要 今人気の自宅洗いができるスーツとは?」
といった感じですね。
このような形で、各段階ごとに顧客が見てくれそうなコンテンツを予想し、用意するのがコンテンツマーケティングの方法です。ではここで一つ具体例をあげ説明しましょう。最近増えてきた「安価なオーダーメイドシャツ」を例にしてみましょう。
出典:10億通りのオーダーメイドシャツを作れる【Original Stitch】
マーケティングの段階ごとに、あったらいいと思うコンテンツ(ブログ記事タイトル)を示してみます。コンテンツマーケティングの例(オーダーシャツの例)
マーケティングの段階 | 顧客の考え | 用意したいコンテンツ |
認知 | どんな商品なの? どんな会社なの? 何ができるの? 自分に必要なのかな? | 「コーデよりもサイズが大事な3つの理由とは?」 「体型に合うだけで、最強のモテ服になるわけとは?~オーダーメードシャツヒットの真相~」 |
?興味・関心 | 商品について知りたい 得られるベネフィットは? 使用するとどう変わるのか? | 「予想できなかったオーダーメイドシャツの不幸な真実」 「オーダーシャツのメリットとデメリット」 |
?比較・検討 | 商品について詳しく知りたい 競合商品との違いは? 価格は? | 「オーダーメイドシャツを格安で作れる人気の専門店5選 実はこんなに工程が違った」 |
?体験・試用 | 事前に試してみたい 後悔したくない | 「オーダーメイドシャツで後悔しない発注のポイントとは?」 |
?商品購入 | 自分で使いこなせるか? 商品の賢い使い方を知りたい | 「オーダーメイドシャツならではの着こなしの鉄則があった!」 |
?購入後 | 他の人にも教えてあげたい 他のユーザーと知り合いたい これからもお店と繋がっていたい | 「オーダーメイドシャツを長持ちさせるコツ 着方・洗濯・収納」 |
実際に作るコンテンツ(記事)の50~70%は、「?認知」や「?興味関心」の段階の顧客の求めるものにしましょう。
記事のネタをリストアップするためのコツ ~理想の店主を設定してみる~
これで記事のネタは少しは出てきやすくなったと思います。あなたの顧客とのやり取りの経験から思い浮かぶと思います。 もしも行き詰まったらこんな風に考えてみてください。 どんな業種でもいいんですが、あなたの町に、とても気さくで人柄のいい店主のいるお店があると想像してください。優しい年配の方がいいでしょう。 そしてその店主のおばさん(おじさん)は、あなたがどんなことを聞いても、嫌な顔一つせず何でも正直に教えてくれます。お店の品物は向こうから絶対に薦めないし、買う必要も全くありません。 口も固いので、人に話しづらいことも、気にせず聞けます。その人は扱っている商品について知らないことは無く、まさに縦横無尽。ウンチクも含めて面白おかしく教えてくれます。 また同じことを何回聞いても嫌な顔を一つしません。ニコニコしながら、わかるまで教えてくれます。ときには関係のない人生相談にも乗ってくれたりします。 いかがでしょう。そんな店主がいたら最高ですよね? コンテンツマーケティングの究極の目的は、そんな最高の店主の代わりになるコンテンツを用意することなんです。 人工知能(AI)が発達すればロポットが代行するようになると私は思ってますが、それまではあなたが記事を書いていくということですね。(AIで可能になっても教え込むのはあなたががやる必要があります) ブログ記事のテーマを考える時、そうした店主がいるとしたら、お客さんはどんな質問をするのか? あなたにとって理想の店主を想像してみてください。 意外に聞きたいテーマが次々と思い浮かぶと思いますよ。 ちなみにこの店主の発想は、実在する靴屋さんのことから思いついたものです。顧客の潜在ニーズを探ろうと思ってもなかなか出てこないんですが、リアルな情景を想像すると私の場合出て来やすかったです。まあ参考になれば幸いです。行き詰まったら、やさしい店主に質問している姿を思い浮かべてみよう
ブログ記事のネタを、さらに倍増させる秘訣
先ほど表で示したコンテンツマーケティングの手法ですが、これでもまだパッとは思いつかないかもしれませんね。さらにヒントを書きましょう。リアルな事例こそキラーコンテンツです
顧客が最も喜んでくれ、効果も高いのが事例です。キラーコンテンツと言われています。それぞれの段階ごとに、もっとも多い顧客の例を紹介してみてください。3名ずつでも結構なボリュームになりますよ。
例) このサービスに強い興味を持ってくれるのはこんな方たちです。例えばAさんは・・・
例) 体験セッションを試されるのはこんな方たちです。意外ですが実は・・・
記事のネタが思い浮かんでくる12の問いかけ
これも段階ごとに以下のキーワードから連想するネタを思い浮かべてください。お仕事を振り返れば結構出て来ると思います。- 顧客の不安の解決策
- 顧客の不満の解決策
- 商品サービスを購入してくれた本当の理由
- 顧客の心の痛みの解決策
- 顧客のよくある勘違い(びっくりしたこと、笑っちゃったこと)
- 恥ずかしくて顧客がなかなか聞けないでいること
- 守っていただきたいこと(お互いのために)
- 提供側の本音(実は…)
- 業界の常識、裏事情、今後の動向
- お客の未来はこうなってほしい(あなたの理想像)
- あなたの仕事にかける想い、こだわり(仕入れ、素材、丁寧さ、価格、品質、接客、清潔さ、最先端、安全、長期的観点、顧客の得た成果、などなど)
- 世間で流行しているものの中で、あなたの仕事に関連していること
あなたのVIP(最高のお客様)に12個の問いの回答をするつもりで記事を書いてください。きっと最高の記事が書けるはずです。
特に「不安」「不満」「こだわり」は必須です!!