アマゾンエフェクトの本質 ―ジェフ・ベゾスは織田信長の再来である―

最近、Amazon.comの快進撃、そして世界の小売業がAmazonに席捲されるとかいうことが連日、マスコミを賑わしています。いろいろは話を聞くにつれて、どこかで聞いたような気がしてまいりました。

そして気づきました。「そうだ、日本の戦国時代だ! アマゾンは戦国の雄、織田信長軍団だ」と思ったのです。ではそう思ったわけをお話しましょう。

アマゾンエフェクトとは

アメリカのアマゾン・ドット・コムが急成長しているのはご存知のとおり。様々な市場で起こっている消費者への影響や既存企業に対する混乱のことをいいます。
一般消費の状況を見ると、リアルな店舗から、Amazonを中心にしたネット経由へと急速に移行が進んだことで、アメリカ国内の既存の小売業が甚大な影響を受けています。老舗のデパートやショッピングモールも、売り上げが減り廃業するところも増えています。玩具最強であったトイザらスでさえ、敵わなかったということも小売業界にとって恐怖を煽る材料になっています。

アマゾンの顧客戦略は、織田信長の楽市・楽座と似ている!

織田信長は、周りの戦国大名からは非常に恐れられていました。ですが末端の民衆、商人からは歓迎されていたようです。既存の販売者の独占体制を壊し、税も無くしていきます。アマゾンのおかげで一般消費者は助かっているが、既存の企業は苦労している。このあたりが信長の「楽市楽座」に似ているなと思いました。

まだ戦国大名に例えてみれば、
 ウオルマート=武田家(最大のライバルと恐れ、徹底した対抗策を取ってます)
 アリババ=上杉家(現状ではAmazonの最大のライバル)
 トイザらス=浅井家(最初は仲良くしていましたが、つぶされました)
といった感じでしょうか。

Amazonの顧客戦略の本質

以上だけですと、読者の方のお役に立たないんで、アマゾンの本質を知るための情報をお伝えしましょう。アマゾンとガッツリとネットで戦った、鈴木康弘氏の意見を紹介します。

日本の小売業では売上とは1店舗、一日あたりの「客単価×客数」という認識がある。
Amazonでは「ライフタイムバリュー(顧客生涯価値) ×アクティブユーザー数」で捉えているようだ。

ライフタイムバリュー:顧客生涯価値、1人の顧客がその企業から一生の間に買う金額
アクティブユーザー数:頻度高く買ってくれているリピーター数

アマゾンの戦略とは、端的にいうと、Amazonプライムの登録客を増やしどんどん買わせるということ。
単価などは二の次。なんでもいいからトータルで赤字にならなければ、とにかく売っていく。
ビデオや本、音楽の「視聴し放題」もトータルで見れば集客の手段。

といった感じでしょうか。
詳しくは以下の本を見ていただくと本質がよりわかると思います。

Amazonを理解するためにおすすめの本

アマゾンを俯瞰的に分析した名著

日本の小売の現場からみたアマゾンの戦略と未来

ジェフ・ベゾスの本質を知るためにどうぞ。巻末に「ジェフ・ベゾスが役員と従業員に読ませる12冊の本」があります。