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新規開拓営業 成功のコツ
先ず、私の営業時代に何をやってたか説明します。 売っていたのは化学分析機器です。普通の人は絶対に知らないでしょう。知っているのは化学系の学部を出た方ぐらいだと思います。対象となる物質が何でできているかを判定する装置でした。企業、研究機関で使うものです。 わかりやすい例でいうと、刑事ドラマで、警察が犯人の遺留品から犯罪の手がかりを見つけるみたいな場面で登場する機器です。価格は500~2000万円ぐらいでした。 客先(主に企業)ですが、大企業は上司たちのテリトリーだったため、四季報(未上場版)を買い見て探しコツコツと買いそうな企業を探しては、開拓し続けました。勉強すべき商品知識は膨大でしたが、土日は全てその勉強にあてて全てアタマに叩き込み、とにかく知識量だけは他社のセールスにも、客にも負けないようにしました。 とはいえ、OA商社のように1日に50社とか行くわけではありません。四季報と日経新聞の客観データから、買ってくれる可能性を自分なりに予測しました。多分候補は数千社ありましたが、数十社に絞り、1日に多くて3社を訪問といったのんびりしたペースでした。 しかし結果的には、新規開拓は成功し同期でも一番の実績が出せました。特に私が注力したのは、市場が伸びそうにもかかわらず、社内の誰もが新しいということで積極的に手がけませんでした。1年に1台でも売れれば御の字というところを、私一人で3~4台ほど売っりました。しかもみなそれまで取引が無かった会社ばかりで、その点も高く評価してもらえました。 ただ、情けないのですが、なぜ上手くいっていたのかが、当時は理解できてませんでした。努力すれば何とかなるほど甘くは無い世界です。なにしろ1千万の機器を、私の営業トークや接待術で買わせることは、できるわけがないからです。 ずーっと不思議に思っていたのですが、やっと先日、疑問が解消しました。たまたま本屋で手に取った本に答えが載っていたのです。和田裕美さんの本です。 和田裕美さんは英会話教材、百科事典で世界ナンバー2のセールス実績を出したセールスウーマンとして有名なんですが、「世界N.o2って、どれほどのものなのか?」と知りたくなり買ったんですね。いや、これは教科書に書いてあることと違います! 欲しがっている人を見つけて売るのが基本でしょう!! しかし読んで納得できました。文章を引用しますね。今、欲しがっていない人が一番の見込み客
一番良いお客さんというのは、”最初からその商品やサービスを必要としていて、今すぐにでも欲しいと思ってる人”です。こうした人はどんな営業マンが相手であれ、品物をすぐにでも欲しいのですから、営業としての苦労も努力もノウハウもいりません。 本当に営業が必要とされているのは、”別にいらないけれど、あっても構わない”という優柔不断ゾーンにいるお客さんたちです。 もっと言えば「ちょっと興味がある」という程度の人こそが、私たちの大事な見込み客であるといえるのです。そして以下のように「こうした優柔不断ゾーン」の見込み客は、全体の80%もおり、この層にこそ営業が必要だということを示されていました。 和田さんは英会話の教育プログラムを売ることになったとき、本来最も売りたい相手(10%)が、大変少なく見つけづらいことに、きづいたそうです。 一番よい見込み客は、「英会話を習いたい人」なのですが、そんな人は既にどこかでなら習っている人が多いからです。ですのでそんな少ない人たちを探しているのは効率が悪い思います。彼女が目をつけたのは、英会話に興味のない人たちでした。そして、その人たちにこのように語りかけたのです。
今は興味ないかもしれないけど、いつか、将来的には、英語話せるようになったほうがいいですよね?たいていの日本人はみな英語は話せたほうがいいと思ってますから、否定はありえません。その後は「いつか」を「今」に変えるべくトークを行い成約に結びつけていったそうです。 営業トークの上手さは必要だと思いますが、それにしても目のつけ所が素晴らしいと思いました。逆張りの発想ですね。 そして少し経って、気づいたのです。自分もこれをやっていたのだと! 私は、化学メーカーなら必ず分析用の装置は、品質管理にも研究開発にも必要になるはずだと確信がありました。分析機器を持っていない企業は高額のお金を払って、必要な都度、専門の機関に外注していたからです。 私が開拓した会社は大企業ではありませんでしたが、それでも数百人の従業員と数十億の売り上げがあり、いつかはきっと化学分析機器を買うようになると思ったんです。 いわゆる小粒でもピリリと辛い、社屋はオンボロだけど製品シェアは独占に近く設備はピカピカみたいな企業が多かったです。 多分お客さんたちも製品の必要性は薄々と感じていたのだと思います。ところが小さな企業を相手にしていたセールスマンは他にいなかったので、そうしたニーズに対応できたのが、たまたま私だけたったのでしょう。だから未熟な新人の私でも1人勝ちできたのだと思います。当時はバブルがはじける前で大変な好景気。予算面でも追い風があったのだと思います。 和田裕美さんは英会話を習いたいと思っていた人、既に習っている人を相手にしませんでした。 私も、先輩たちが担当している、そうした機器を、買ってくれそうな、もしくは持っている大企業の所には行きませんでした(結果的にですが)。 そして運よく80%の人たちの中から、顧客になってくれるひとが、見つけられたということだったのでしょう。 一応、理屈として説明すると、集客、マーケティングでいう「ターゲティング」が適切にできていたということですね。 詳しい解説は以下へ マーケティングの手法”STP”|セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング すぐ買いたいという人に、さっさと売るのはもちろん大事ですが、新規開拓にまず必要なのは、ターゲット、しかも競争せずに済むターゲット探しが大事だということですね! あとこれは、違う視点の話なのですが、大事なことなので追加しておきます。「製品のライフサイクル」のことです。