★立地がよく、安くて手軽なマクドナルド ★美味しくこだわりのあるモスバーガー両社ともうまいポジショニングだと思います。 ポジショニングがうまくできていると、ぐっと有利になるわけですが、そうそう簡単には思いつかないので、ポジショニングマップと呼ばれるチャートを書いてアイデアを練っていくということがよく行われています。 ところが、慣れてくると、「このチャートを書ければOK! もう安心」みたいに勘違いしてしまったりします。 目的と手段の逆転です。机上ではOKでも、お客さんの心の中でほんとにユニークな位置づけとして伝わっているかが大事なんですから。 そのような間違いに陥らないよう、バッチリ伝わるポジショニングを作るためのコツを、音楽業界を例にお伝えいたします。では始めましょう~。
ポジショニング戦略の意味
ポジショニングとは、自社、自社の商品・サービスが市場が、どの様なポジション(立場)にあるかということです。 大別すると、人の心のなかのイメージとしてのポジションとして考える場合と、客観的な数字で見ていく場合があります。 前者の代表選手がアル・ライズ, ジャック・トラウトの二人組み。後者の代表選手がマイケル・ポーターです。 通常は、アル・ライズ, ジャック・トラウトの二人組みのほうの提唱した概念が使われてます。これをマーケティングの中にうまくまとめ入れたのがコトラーです。 ですので、二人組か、コトラーのどちらかを勉強すればOKです。 あと戦略が付くと、意図したポジショニングを実現するための方策という意味となります。 どう競争するかを決めるということですね。 今や、自社だけにしかないユニークな商品・サービスというものは、簡単には提供できません。そこであの手この手を使って、消費者に商品を認識させるのが、ポジショニング戦略の目的です。 私も、この理論が何を表しているのが最初はわかりませんでした。 ターゲティングとの違いが、一番ややこしいですよね。 以下のように整理しておくとわかりやすいです!業界でとび抜けて結果を出している企業は、間違いなくポジショニング戦略をきっちりやっています。特に中小企業ほど、これが必須です。 一人の自営業だったら、これが生命線です。 私の経験からもそう言えます。成功している起業家は、ポジショニング戦略を実行してます。ターゲティング=客観的な商品の位置づけ ポジショニング=心のなかの位置づけ
ポジショニングに必要なのは「圧倒的なインパクト」!
ポジショニングという用語は、最近は新入社員でも知っています。でも大切なのはポジショニングの中身なんです。よくある間違いは、他社の商品が存在しないポジションを見つければOKとしてしまうパターンです。でも単なる「他社には無い何か」を見つけたところで、それがお客さんの心に響かなくっちゃ意味がないですよね? では響かせるためのコツとは? それは「圧倒的なインパクト」を持たせることです! とにかくユニークさのレベルが半端じゃないなって思わせることです。 たぶん、ちょっとしたユニークさとかは、プロが考え抜けば、そこそこのものは見つけられるでしょう。だけど、それがお客さんの脳みそにズバッと入って行くぐらいでないと意味がないんですね。?プレゼンシート上の、グラフの綺麗さだけでは通用しないってことです。 最近の商品でいうと「iPhone」とかがまさしくそうでした。天才スティーブ・ジョブスが産み出しただけのことはありますよね。 (画像出典:iPhone – Apple(日本)) でも「iPhone」のレベルはちょっと無理だ、真似できないよと思うでしょう。その通りです! いきなりiPhoneレベルの商品を企画しようとするのはやめておいたほうが無難です。天才だからこそ生み出せた商品だと思います。 真似しようとして取り組んでも時間を無駄に費やしてしまうだけです。ではどうしたらよいのでしょうか?答えは「徹底的なこだわり」
では、普通の人間、いわゆる凡人はどうしたらよいのでしょうか? ポジショニングで「圧倒的なインパクト」を与えられるレベルの、ユニークな何かをみつけられないとしたらどうしたらよいのでしょう? そこそこの、ユニークさで通用させられるのでしょうか? はい、では答えましょう。それは・・・あなたが見つけたそこそこの「ユニークさ」について、 お客さんの目に触れるすべての点で徹底的にこだわりまくる ということ、これが答えであり打開策です。ちょっとした違い、ユニークさを、 ここまでやるのか! というぐらい強調し、主張するのです。 ?するとうして初めて人は、おおおっ! となるのです。 では、私の大好きな音楽業界での実例を一つ紹介しましょう。音楽業界(国内)で唯一、有名になれたヘヴィーメタルバンドの話です。 ヘビメタというジャンルは、人による好き嫌いも激しく、一部のマニアだけの世界ということもあるので、そんなに有名にはなれません。だからオリコンのベストテンとかには入らないのですが、なんと彼らには5位になったシングルもありました。後にも先にもこのバンドのみです。そのバンドは聖飢魔IIといいます。(画像出典:聖飢魔II オフィシャルWEBサイト)
いきなり私事で恐縮ですが・・・ 実は私、高校・大学時代は音楽(バンド活動)にのめりこんでおりました。自分のバンドをいかに影響力のある、イケてるバンドにできるか、文化祭で目立てるか? 24時間365日考えておりました。ボーカルのI君が中心となり、バンドのコンセプト、音楽性、コスチューム選び、ライブの演出、チラシやチケットの作成・配布など、いろいろやっておりました。 今、マーケティングや広告を人に教えてますが、その原点はバンド活動にあるといっても過言ではありません。かっこいいバンドがあると聞けば、文化祭、ライブハウス、楽器屋のミニライブなどに行き、いろんなバンドを見ては研究していました。 大学1年のときでした。ある日、早稲田大学に通っていた中学時代の友人が「自分の所属している音楽サークルに面白いバンドがいる。文化祭を見に来れば」と誘ってくれました。そして、そこで見たのが「聖飢魔?」です。 ボーカルのデーモン小暮閣下は、ユニークなメーキャップでテレビなどでも有名ですね。 (若い人は知らないかな?) 今から約30年以上前、当然メジャーデビュー前です。ライブを見たときの衝撃は忘れられません。 ここまで大学生のバンドがやるのかよ??? 彼らは自分とほぼ同い年の大学生でしたが、ぶっ飛んでました! 細部までこだわって構築した世界観の統一性がみごとでした! 当時すでに似たようなコンセプトのバンドはいくつか存在していました(Kissというアメリカのロックバンドを真似た感じ)。しかし聖飢魔?ほどこだわったバンドは見たことがありませんでした。 全員が衣装と化粧を完璧にやったうえで、ライブの進行、語り、弾くポーズ、歌い方、歌詞の全てが細部まで完璧でした。ライブ自体も「黒ミサ」といっていたと思います。衣装や演出も、大学生がバイト代で調達できる範囲ではありましたが、徹底ぶりがみごとでした。(当時、他のバンドもある程度は衣装とか凝っていたとこもありましたが、ボーカルだけとかが多かったと思います) バンド(聖飢魔?)のコンセプトは、 「地球征服を目的とし、悪魔教を布教するために組織された教団」 ある意味幼稚とか子供っぽさも感じはしましたが、彼らの想像力とこだわりには心底、脱帽しました。 しかもボーカルの小暮氏は曲間では黒魔術や、悪魔的な世界観をベースにおしゃべりしつつ、笑いまでとっていました。ほんとにすげぇ~!と思いました。 その日は、興奮が冷めず眠れませんでしたね。中学時代の友人から小暮氏は普通の学生だと聞き、自分との違いをまざまざと見せつけられた気がしました。 それから数年後、聖飢魔?はCBSソニーというレコード会社からメジャーデビューしました。 「やはり、わかる人はわかるんだ。レコード会社も放っておかなかったんだ」と妙に納得したことを覚えています。 当時ヘヴィメタルとかハードロック系のバンド、ビジュアルの奇抜さでやっていたバンドは多数存在しておりました。しかし、聖飢魔?は、悪魔教という、ちょっとふざけた演出を、誰も真似できないレベルで徹底した結果、他のバンドが提供できなかった「魔界」という「非日常のエンターテイメント空間」を与えることに成功したわけです。