WEBやブログ記事を取り巻く状況
まず、書き方の前に、ブログ、そしてそれを取り巻く状況について知っておいていただきたいことを述べます。時間がなければ実践的な次の項目へどうぞ。読者はあなたの記事を読みたくてやってきます。マジで!
前から不思議なんですが、ブログの書き方を教えている巷の資料をみると、読者の興味感心を冒頭で無理に高めさせるようなものが多いんですよね。「読者のニーズを掴んで記事を書け」と言ってるくせに「最初から違ってるんですけど」といいたいです。 読者は、あなたの記事を読む気満々でやって来るのです。ですからその事実を素直に受け入れたほうがよいと思います。だって、考えてみてください。あなたの記事を読みたくない人は、訪れようがないのです。 あなたの記事へは、検索サイト、FBなどのSNS、または当人のブックマークからしか来ません(広告を出してればそこからもですね)。いずれも本人の見たいという意志があって来るのです。これは大事なので覚えておいてください。読者は3段落目までしか読まない
上記で述べたのと反対のことを言うようですが、読者は最初しか読みません。冒頭からどこまで読むか調査したものがあります。第1段落 81% 第2段落 71% 第3段落 63% 第4段落 32% (出典:Webサイトを読むということ:そんなことも(時には)ある)
ということで、3段落目までが勝負のようです!「最初に結論を!」という世間の風潮
ここ最近、感じるんですがビジネスの世界がより一層スピードを求めるようになってきています。そのせいでしょうか。メール、報告書、パワーポイントのプレゼンに至るまで「結論」「主張」を早く伝えるべしということが言われてます。 また欧米では日本と違って小学校から「実用的な文章」の書き方をトレーニングしてますが、その中でも「まず主張を書け」というように指導してますから、その影響もあると思ってます。 ブログを読むほうも自然とそうしたトレンドに影響はされます。「冗長な能書きはいらんから早く結論を読ませろ」というニーズは強まっていくでしょう。導入部は検索サイトの表示に使われることがある
これは対読者の話ではなくSEOの話です。冒頭の文章は検索結果のサイト説明に使われることがあります。メタタグ(description)で指定すれば通常は指定文章が載りますが、結局決めるのはgoogleです。下図は、そのまま掲載されている例です。このあたりもビジネス的には大事です。スマホの普及が著しい
最も気にするべきなのはスマートフォンの普及です。具体的にいうと画面の表示文字数が減ったということです。これは導入部分だけの話ではないのですが、やはり考慮は必要です。 パソコンの画面は表示部分が大きいので、画面の下の方に魅力的な文言や画像が見えればスクロールしてくれました。しかしスマホではそれはありません。つまらなそうなら即離脱されてしまいます。 ちなみに、このサイトですとメイン読者はビジネスパーソンなので、パソコンで見る人が多いはずですが、それでも40%がスマホ、3%がタブレットです。PCは57%です。たぶん一般のサイトでは逆転してスマホのほうが多いのではないでしょうか。 ちょっと話がそれますが、大手の商用サイトはいろいろとこのあたりも考えているようです。YahooNews!を見みましょう。ヤフーニュースの同じ記事を、パソコン用サイトとモバイル用サイトで表示させてみました。パソコン用記事の導入部(リード)の文章は、スマホ画面用サイトでちょうどよく読めるぐらいの文字数であることがわかります。 つまり、Yahooニュースでは記事の導入部分だけを切り出しても、そのままスマホでちょうどよく表示できるように最初から作っているわけですね。とにかく一画面目は重要なのです! ここまでのポイントを、まとめておきます。《ネットやブログについての前提状況の説明》
★読者は読みたくて記事を見にくる!
★とはいえ、どんどん離脱していく
★早く結論を知りたいというニーズが強くなっている
★検索サイトも考慮しないといけない
★スマートフォンへの考慮も必要だ
ブログ 書き出し(導入部)の役割を確認
ブログと言ってもいろいろあるんで、ここではノウハウ・知識提供タイプで1,000から5,000文字程度の記事を対象として、書き出し(導入部)の役割を整理して述べたいと思います。 普通、文章は最後まで読まれるであろうという前提で書きます。小学校の作文だって、それが大前提でしたよね。「面白い書き出しじゃないと最後まで読んで点数つけてやんないぞ」とは言われませんでした。 でもWEBコンテンツは、導入部がダメなら読まれません。読まれるための条件はたった二つです。検索サイト、FacebookなどのSNS、広告からクリックしてきた読者に対して以下のことをわかってもらえばOKです。?記事に読者が知りたいことが載っていることが確信できる
?このまま読み進める価値があること
これらを最初の3行、200字ぐらいで証明することが導入部の役割です。文章自体が長い場合、うっかりすると主張したい結論が後ろの方になりがちです。それでは忙しい読者は他のサイトへいってしまいます。
?については、最終結論を早めに提示することです。?はちょっと抽象的な表現になってしまいましたね。ここでいう「読み進める価値」とは、その記事でしか読めない独自性を感じさせることです。これは難易度が高いんですが、切り口や語り方、人間味、経験値などの総合されたものです。まあこれはあるほうがいいといったところです。
ということで、この2つの条件を満たすことが導入部の目標です。満たして入れば文はシンプルなほうがいいです。そのほうが書き手も読み手もお互いハッピーですよね。
導入部分では、読者が知りたいことの存在と、読むだけの価値を感じさせよう!
《実践》ブログ書き出し用のテンプレート
長く引っ張ってしまいましたが、これから書き出し(導入部)に書くべきことの説明をいたしましょう。来てくれた読者にブログにとどまってもらい、読み進めてもらうにはどうしたらよいかということです。いくつかのパターンがありますので、やさしいものから順番に説明していきますね。ブログ?書き出し(導入部)の書き方? 基本テンプレート
私がいいなと思うブログを分析したところ、最低限必要な要素は、4つであることがわかりました。初心者の方はまずこれでいきましょう! とてもシンプルな「基本テンプレート」です。
? ◯◯◯のことを書きます → 問題提起
? これって、□□□ですね! → 共感
? そうした悩みを、解決する方法があります。 → 解決策の予告
? 今回は◯◯◯を解決する方法をご紹介します。 → 本文への誘導
「?問題提起」は、記事でとりあげることが何かを提示します。
「?共感」では、その問題に関して一般に感じられる感情を表現してあげます。これが無いととても味気ないものとなり、読む気が失せてしまいます。
「?解決策の予告」はもっとも大切です。読者が知りたい問題解決策の存在を教えてあげます。「このあともうすぐ読めますよ」でもいいし、ズバリ内容をかいつまんで書いてもかまいません。どこまで開示するかは状況に応じての判断です。
「?本文への誘導」は、そのままですね。必ず適当な文章を入れておきましょう。
例文はこのようになります。
スマホ料金が劇的に安くなる格安SIMが話題になってますが、業者によっては通信速度が遅くて後悔する場合もあるようです。→?
スマホ料金が安くなるのはいいけど、使い勝手が悪くなるんじゃ嫌ですよね。→?
ですが、そんな失敗せず、選べる方法があるんです。→?
ではイライラしないで使える格安SIM事業者を選ぶコツをこれからご紹介していきます。→?
(合計164文字)
いかがでしょうか? 最低限の4要素のみの構成で164文字で書いてみました。スムーズに読め、しかも次も読みたいと感じていただけたと思います。
導入部はの基本は、「問題提起」「共感」「解決策の存在を提示」「本文への誘導」の4つです。
ブログ 書き出し(導入部)の書き方? 基本テンプレート+オプション
では次にいきましょう。基本テンプレートで最低ラインは満たせるのですが、あっさりしすぎかもしれません。きっと、よりよい文章にしたいですよね。いつもあなたが読むブログも、もっといろいろ書かれていると思います。 実は最初の「基本テンプレート」に、さらにいくつかの要素を加えるとより味わいが出てインパクトが増します。その要素は私が分析したところ6種類ほどです。以下に書きますね。 6つのオプション要素一覧? | 挨拶/自己紹介 | 挨拶や自分を名乗ることは不要だという方もいますし、ブログは手紙と同じように挨拶から始めるべきだという方もいます。 このあたりは、どちらでもかまいません。記事の中身的には会っても無くてもいいです。 しかしブランディングを考慮した場合は、演出としては大切なことですのでよく考えましょう。 |
? | 用語説明 | 簡単に言葉の説明をくわえます。 誰でも知っているテーマを取り上げるときは不要ですが、読者の中で十分に理解していない方がいる場合は入れましょう。新しい用語、難解な用語は入れたほうがいいでしょう。 (例: AIとは人工知能のことで・・・) |
? | 関心ネタ | 読者が惹き付けられるような内容を盛り込みます。オススメは、テーマと関連した書き手の体験がベターです。 |
? | 同意ネタ | 読者が、必ず(心のなかで)同意してくれるような問いかけ的な文章を書きます。 |
? | 読むべき理由 | 読まないとどれだけ損か、読んだらどれほど得なのかをなるべく客観的に述べます。ニュース、権威のある専門家の話などを引用します。 |
? | 未来像/ベネフィット | 読者が、解決策を実行した場合の理想的な未来の情景や、得られる成果、感情を魅力的に語ります。 |
項目 | 説明 | 例文 |
オプション? 挨拶/自己紹介 | あってもOK | まいどっ! 節約コンサルタントの田中です。 |
基本 問題提起 | この記事に知りたいことが間違いなく書いてあることをアピール!! | スマホ料金が劇的に安くなる格安SIMが話題になってますが、業者によっては通信速度が遅くて後悔する場合もあるようです。 |
基本 共感 | テーマに関する感情を書いて共感を誘う | 料金が安くなるのはいいけど、使い勝手が悪くなるんじゃ嫌ですよね。 |
オプション? 用語説明 | 常識的で間違いようのないものなら不要。 | ちなみに格安SIMというのはMVNOという、ドコモ、ソフトバンクといった大手ではない回線事業者が提供している、月間料金が安いSIMのことです。 |
オプション? 関心ネタ | ツカミの方法はたくさんありますので、別途説明します。 | 先日、自分のスマホを格安SIMに変えたら月1600円なのに全然問題なく使えます。女房も変えさせたんですが、うっかり違う会社にしたらスピードが遅くて話になりませんでした。 |
オプション? 同意ネタ | 読者に「そうだよね」と思ってもらえることを書きます。 | よかれと思って変えたのに、妻には文句を言われ散々でした。最終的に事業者を変えて事なきを得ました。 あなたにはこんな目にあってほしくありません。 |
オプション? 読むべき理由 | 客観的事実の提示、 ニュース引用、 専門家の提言 | ◯◯◯誌によると多くの方が同じ失敗をしているようですね。 |
基本 解決策の予告 | 解決策の概要まで提示してしまう(ネタバレのパターン) | ですが、そんな失敗をせずに選べる方法があるんです。 |
実は格安SIM業者は制度上2種類存在しており、どちらを選ぶかでほぼ決まってしまうんです。 その説明をした上で、安全確実な会社の実名も書いちゃいます。 | ||
オプション? 未来像/ベネフィット | 安心してスマホ代を節約できるようにしたいですよね? 4人家族なら毎月2万円は浮きます。年間で24万円も家計が楽になります。旅行にいけちゃいますね!! | |
基本 本文への誘導 | では、さっそく失敗しないSIM業者の選び方を詳しく説明しましょう! |
・導入部はとにかく記事を読み進める価値があることを伝えよう
・より充実させたい場合は6つのオプションから選んでトッピング
ここまでのところを図解でまとめておきます。
もっと凝ったカッコいい書き出しを目指す方へ
ブログを見ていると、いきなり惹き込まれるような面白い文章に時々出会います。それについても触れておきましょう。 ノウハウ提供タイプの記事の多くは上記で説明したような形で書かれてますが、たまにそれ以外の形で書き始めている記事がありますよね。会話や名言で始まる記事とか、泣ける物語で始まったり、いきなり何か『宣言』しちゃう記事とか…です。 実はそうしたもののうち幾つかは基本テンプレートの応用でいけます。オプションの?~?を冒頭に持ってきてしまうのです。簡単です。例えば次のような感じです。
●「読むべき理由」を持ってくると…
ご存知ですか? 食事の時、コレステロールは気にせず食べていいことを?
●「未来像/ベネフィット」を持ってくると…
夏、水着を着るのが楽しみ! そんなあなたになれるとっておきのダイエット法が・・・
大抵はこのパターンです。ぜひ応用してみてください。読者も書き手も飽きずにすみますから。あとこれ以外にもいろいろな手法があるので一覧にしておきます。参考にしてください。
今回の記事は70点を取るのが目的なので詳しい解説は省きます。下記のリンクに詳細が載っているのでご覧くださいませ。
- 特定の読者に呼びかける
- 会話(セリフ)で始める
- 物語的に語り始める
- パロディー
- 映画の宣伝を真似る(全米が震えた・・・)
- 自分の赤裸々な体験
- 驚くような宣言をする(このたび私は・・・)
- 圧倒的な実績を示す
- 常識をくつがえす事実を示す
- 過激、オーバーな表現
- 感情を激しく表現する