セルフ・コンパッション?|自尊心は不要なのだ!

セルフコンパッションについて「自尊心」という観点から説明します。このページは「セルフ・コンパッション|自信とモチベーションの源泉!」の続きです。 たぶん個人ビジネスを行っている方は、自己実現のため起業した方も多いと思います。 その場合、 「自己実現=自尊心を高めるための活動」 となっていると、じつは大変まずいことになります。 家族や知人との良い人間関係を保つため、学習や仕事についてよりよく取り組むためには自尊心が必要だという考え方が欧米でも日本でもよく言われています。しかしこれは最近、否定する研究結果がいくつも出ており、そのまま鵜呑みにすることは止めるべきです。 高い自尊心を持つことは、幸福を感じる度合いが高くなることは確かです。自分が大好きで、偉大だと感じることは気分がよいものです。悪くはありません。 ただ、そのことが目的となり、高い自尊心がなければ不幸な感じがする……、その結果、自尊心を高めることが生活の目的になってしまうと問題が生じます。 たとえば学校や家庭で自己イメージを良くするためだけに無条件に子供を褒めまくったりすると、弊害を生むことは幾つもの研究結果が証明しています。 教員・上司・仲間からの賞賛、競争での勝利、家族からの支援があればハッピーに感じるが、無いと不幸を感じるようになってしまうそうです。賞賛・勝利・応援を手に入れられることによる快感は、癖になるのです。 賞賛されること、勝利することは嬉しいし否定することではもちろんありません。しかし、それが無いと落ち込みっぱなしになるのは問題なのです。 一時的な快楽を追い求め続けるようなことを心理学では「ヘドニック・トレッドミル(hedonic treadmill)現象」といいます。これは、快楽を求める姿勢をトレッドミル(スポーツジムにあるランニングマシーン)を使っている人の姿に例えたものです。快楽を求めて前に進もうと努力はしても前に進めていない状況を指します(ちなみに最近ではこうした現象は、遺伝子が関係しているという学説もあります)。 高い自尊心を保ち続けるのは、うまくいけばいいのですが、そうならない場合は、大変なストレスを感じることはおわかりになると思います。ましてや経営者はトライアンドエラーを繰り返し、ビジネスを継続していかねばなりません。必ず失敗はついてまわるのです。自尊心を満足させるために企業経営するのは難しいことは納得できると思います。 トレッドミルに乗るよりは、自分への思いやりと慈しみを自分自身で与え続けるほうが確実だと思いませんか? ということで、経営者の皆さんにはこの自分への思いやり・慈しみを十分に与えていくことを推奨致します。 興味のある方はセルフ・コンパッション(Self-Compassion)について研究されるとよいとも思います。研究者のネフによるとセルフ・コンパッションは次の3つの要素から成り立つとされています。
Self-Kindness(セルフ・カインドネス): =自分自身に温かく優しくする。 Common humanity(コモン・ヒューマニティ): =自他の短所・欠点・間違いを人類共通のものであると受け入れる Mindfulness(マインド・フルネス) =出来事を自分の価値基準・感情と同化せず客観的に視る
3つ目にでてきる「マインド・フルネス」は、最近は臨床心理学、ポジティブ心理学においても重要だとされている概念で、マインドフルネスという感覚を得やすくするためのトレーニングは、世界の大手企業が社内研修として取り入れております。 こうしたことからも、自分への思いやりと慈しみ(=セルフ・コンパッション)の大切さはわかっていただけるのではないかと思います。 【参考】 ストレス軽減に思いやり向上 GoogleもIntelも実践するマインドフルネスとは 注目集まる理由は?|特集まるごと|NHKニュース おはよう日本 ちなみに実践法はとても簡単です。必ずgoogleのやっている社内研修のように毎日瞑想をやる必要はありません(できたらやってももちろんOK)。 暇な時に、自分自身を慈しみ思いやることばを心のなかでつぶやくだけです。 ある専門家は1日に100回程度つぶやくといいと言われておりました。例えば 「よくやっているね」 「自分に○をあげよう」 「素晴らしい」 など自らの行動や想いを認める言葉、賞賛することばを適当につぶやくだけでよいそうです。皆さんにもおすすめですよ!! 【参考文献】

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