人を動かすプレゼンテーションについて

こんにちは、コンサルタントの中田です。今回は「人を動かすプレゼンテーション|そのヒント」について、お伝えします。

プレゼンでなく講義といってもいいのですが、人に何かを伝える場合に何が重要なのか考えさせられたことがありました。そのことについて述べさせていただきます。皆さんの何らかのヒントになれば幸いです。

プレゼンテーションや講義で最も大切なものは?

プレゼンや講義については、今まで大量の本を読み、DVDを視聴し、いくつものセミナーに出て勉強したし、年間数百時間も実際にやっているのですが、まだまだだと感じたしだいです。

プレゼンや講義の本を見ると、注意すべき項目は山ほどあります。姿勢、発生、アイコンタクト、シナリオ、構成、色使い、段取りなどです。更にパワーポイントの作り方が加わると大変です。また最近はインタラクティブなやり取りも要求されますから全く気が抜けません。

でもそうした中、なんとなく腑に落ちないものがありました。本当に自分の伝えたいものを伝えるには、自分が話すということがベストなのかということです。

このことで同業の知人と話したことがあります。プレゼンは、メッセージを伝える単なる「機会」なのだから、受講者に完璧に真意が伝えられる仕組みさえあれば人間でなくともOKではないかということです。

その時は結論には至りませんでしたが、それ以来ずっとこのことは考え続けていました。でもそれが何かということはつかめないでいました。ところが先月、ある場所でそのヒントが得られたのです。

運転試験場の講習で、さだまさし氏の『償い』を聴く!

それは運転免許証の更新時、講習でのことでした。私は誕生日が12月なので、免許の更新はいつも年の瀬になってしまいます。あと数日で新年という日でした。

いつものように手数料を払い、視力検査、写真撮影を行いました。日頃ちょっとした運転ミスが多いので、たいてい最長の講習を私は受けています。かれこれ10回以上は似たような2時間の講習を数十年に渡って受けています。毎度のことながら中身はワンパターンなので、いかに時間をやり過ごすかに苦労しておりました。

今回も、いつもどおり講習が始まりました。教室にはたぶん100人近くが入っていたと思います。また、いつもの危ない事故の起こりやすいパターンや、悲惨な大事故のビデオを見せられるのかと思うと憂鬱でした。

ところが講師の方が、こんなことをおっしゃいました。

「本日は途中で歌を聴いていただきます」と。

内心「えっ!」と驚きました。交通の講習で歌とか音楽を聞いたことは生まれてこの方ありません。最近は警視庁も変わったなと驚きましたが、でもどうせ標語を連発するような感じだろうと半分バカにしておりました。。

ちょうど講習の半ば頃、いよいよ「では歌を聴いていただきましょう」とのことで歌の説明が始まります。歌というのは、さだまさしさんの「償い」でした。私は実はさだまさしは好きで結構聞いていたのですが、あいにくその曲は知りませんでした。

講師の方は「さだまさしさんが実話に基づいて作られた曲です」と簡単に紹介だけして、大型の液晶テレビ画面に歌詞のテロップのみを流しながら、曲の再生が始まりました。

この曲が始まり聞き出した瞬間、本当に曲のインパクトが凄過ぎて、体が固まりました。

内容は、交通事故で夫を無くされた方に、加害者の青年が賠償金を毎月送金し続けるという、実に悲しい話です。

以下の歌詞が今だに耳にこびりついて離れないです。

「人間って哀しいね だってみんなやさしい
それが傷つけあって かばいあって」

この曲を、警視庁が免許の講習に採用したきっかけは、ある裁判での裁判長の発言によりこの「償い」という曲の存在が有名になり、ただ講義のみを聴くよりも、受講者により交通安全への関心が高まると判断したからだそうです。

裁判長の発言についてはこちら→ウィキペディア 償い (さだまさしの曲)

歌が終わってから、交通事故に対する怖さ、そしてそれを防ぐためになんとかしないとと、かつてないほど真剣に考えるようになりました。その後30分ほど、いつもと同様の交通教則の話でしたが、眠気も吹っ飛びほんとに真剣に聞けました。

その後、家に帰ってから家族にこのことを語ったのは言うまでもありません。ちなみに市川海老蔵さんも私と同じ週に、免許更新で同じ体験をしたことをブログで書かれてました。

今日免許更新に朝サクッといって感動した

あとYahooニュースでも取り上げられますね。

運転免許試験場で、さだまさしの「償い」を聞かせる理由とは

皆、私と同じように思われたのですね。ほんとに有り難い経験でした。もちろん、私は以前より安全運転になりました!

プレゼンテーション・講義で大事なこととは

今回思ったのは、やはり人の態度を変えさせるプレゼンや講義については、人を圧倒させるほど感動させることが必要だということです。

たぶん運転免許試験場のコンテンツの作り込みはそれなりにお金をかけてやってきたのでしょうが、それほど効果的だとは思えませんでした。

しかし、既に世の中にあった曲を、数分聞かせるだけで、都内の免許所持者の一定数が、交通安全に配慮するようになるわけです。これほど安上がりで、圧倒的な成果をだせる講義は無いんじゃないかと思います。(全国の警察でも「償い」は採用すべきですよ、これは!!)

ひょっとしたら、「償い」を聴けたおかげで運転に注意するようになり、今も人命が救われているのかもしれません。素晴らしいことです! それからコンテンツを作ったさだまさしさん。まさに天才です。

また、やはり強制的に机に座らされ、耳を傾けさせられるという「場」も必要であったと思います。仮にCDを配られ聴いておいてくださいと言われても、まず真面目に聞かなかったでしょうから。

また講義の真ん中あたりという時間も一番、心に入りやすいタイミングだったのでしょう。終わり頃ではソワソワしてだめですね。

 

今までプレゼンといえばステーブ・ジョブズ、そしてTEDの講演者を真似ようという感じでしたが、もうそれはいいかなと思った次第です。プレゼンテーションや講義は、講演者のエンターテイメント性を磨くことだけが目標ではなく、成果が出せれば、どんな手段でもいいということです。

冒頭に書きました「伝えるべきことが伝われば人間で無くともよい」という考えは、まんざらでもなかったようです。今後、自分なりにプレゼンは工夫していきたいと思っています。

なお、似たような形で、プレゼンに新たな工夫を取り入れようと試みている人は他にもいます。例えば次の本はユニークです。

バスガイド流プレゼン術 天才ジョブズよりも身近な人に学べ

『バスガイド流プレゼン術 天才ジョブズよりも身近な人に学べ』

著者: 伊藤 誠一郎
出版社: CCCメディアハウス
出版日: 2013-06-12
ASIN: B00FB08H90
ISBN-10:
ISBN-13:



東京の有名な観光バスで「はとバス」というのがあるんですが、そのバスガイドさんの車内での説明をプレゼンの参考にしようという内容です。

バスガイドさんは、ほぼ一日中、観光客が飽きないよう、おもしろおかしく説明し続けるのですが、それについて組み立て方や練習法を説明されています。この本の副題が

天才ジョブズよりも身近な達人に学べ

です。この視点って大切ですね。

まとめ

今回は取止めの無い話に終止してしまい恐縮です。ただこのことは、多くの人に伝えたかったので描かせて頂きました。

プレゼンのスキル、知識などはあらためて記事にしたいと思っています。お読み頂き、ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。